◆ 積極的なバッティング
「僕の場合は状態がいい時は初球からコンタクトできていいところに飛ばせる状態が良い時。少しずつできているのはいいことかなと思います」。
ロッテの髙部瑛斗が5月に入り、持ち前の早いカウントから積極的に打ちにいくバッティングで、状態を上げている。
『1番・センター』でスタメン出場した7日の楽天戦、0-0の初回、無死走者なしの第1打席、藤井聖が投じた初球の141キロのストレートをレフト線に弾き返すと、スピードを緩めることなく二塁を陥れる好走塁でチャンスメイク。石川慎吾のレフト前の安打で先制のホームを踏んだ。
4-3の6回一死三塁の第4打席は、「チャンスでランナーを返すことができて良かった」と西垣雅矢が1ボールから投じた2球目の138キロフォークをライト前に適時打。
髙部は今季開幕から3番が7試合、5番が5試合、7番が4試合、1番と6番が3試合、9番が1試合と、様々な打順で出場しているが、どの打順で出場しても得点圏で打席が回ってくることが多い。
「得点圏で打って欲しいと思っての打順だと思うので、そこの部分で打ててないところがあるので、しっかり自分に鞭打ってやりたいなと思います」。
打順が固定がされない中で準備の難しさについて訊くと、「そこはやることは変わらない。自分の仕事はしっかりしないといけないので、色々考えてプラスになるようにしなきゃなと思います」と前を向いた。
◆ 今季6盗塁
髙部は塁に出たら“盗塁”という武器がある。7日の楽天戦でも、6回に適時打を放ち、続く藤岡裕大の打席中に今季6個目の盗塁を決めた。
盗塁に関しては「いけたら行くという感じなので、行ける時は積極的に。チームの状況を見ながらという感じですね」と明かした。
今季ここまでの盗塁でいえば、今季初盗塁を決めた3月28日のソフトバンク戦、6-1の7回一死二塁で小川龍成の打席中に三塁盗塁を決めた盗塁が良かった。「ピッチャーの隙とかもあるので、そういうのは見逃さないようにしたいと思います」と話した。
◆ 5月は月間打率.474
髙部は4月終了時点で打率.230だったが、5月は現在3試合連続複数安打を放つなど、ここまで月間打率.474。振り返れば、昨季は開幕一軍を逃し4月終了時点でファームでの打率.223と苦しんだが、5月18日に昇格すると、そこから打ちまくった。今年も5月に一気に調子を上げていきそうな雰囲気は自身の中であるのだろうかーー。
「シーズン長くてどういう状態かやってみないとわからないですけど、自分の中で少しずつ出てきている感覚があるので、悪いことじゃないかなと思います」。
ZOZOマリンスタジアムで行われる試合前練習では「しっかり力が入るようにどうやっていいバランスで打てるのかというのをバランスですね。全体的にそこの部分をやっています」と、福浦和也一、二軍統括打撃コーディネーターに助言をもらいながら打撃練習していることが多い。
「打撃力がないと勝てないので、しっかり打って自分の役目を果たして、チームのことを考えられる成績を残せていない。まずは自分のことに目を向けてやりたいと思います」。自分自身に矢印を向けて、バットで貢献することだけを考える。
取材・文=岩下雄太