ロッテの友杉篤輝は5月3日終了時点で打率.063まで落ち込んだが、7日の楽天戦で今季初の猛打賞を達成すると、14日と15日の楽天戦で2試合マルチ安打で打率.314まで上昇し、現在規定打席に届いていないが打率.289をマークする。
石垣島春季キャンプ中、「(打撃フォームは)少し変えてますね。イメージだけなんですけど、少し変わっていると思います。イメージしているスイングのために、それをしやすいような足の上げ方だったり、開き方みたいなのを変えてやっています」と話し、「(バットも)今は900グラムで継続しながらやってて、880ぐらい。20グラムくらい軽いやつも用意してもらって、色々試しながらやっていきたいなと思っています」と試行錯誤していた。
オープン戦では3月11日の日本ハム戦終了後に打率.053まで落ち込んだが、15日の広島戦から3試合連続安打、18日の楽天戦で2安打し、「だいぶ悪かったんですけど、最近良くなってきた。狙いたい方向に打てたり、あとはタイミングもそうですけど、合ってきているかなと。捉え方も、やりたかったことが少しずつできているのかなと思います」と手応えを掴んだ中で開幕を迎えた。
昨季は“強く振る”ことを意識していたが、「逆に強く振ろう、振ろうというのがあってなかったのかなと思うので、ちょっと意識を変えながら強くというか、勝手に力が出るような感じで今は逆に力を抜いてというイメージでやっています」と、“力を抜いてイメージ”で開幕前は振っていた。
開幕してからなかなかスコアボードに“H”ランプを灯すことができずにいた。4月16日の取材では、「全然打てていないですし、何かを変えなきゃいけなといけないなというのと、一番打てていた時期のバットなので、何か違いというか、発見があればいいなと思ったので戻しました」と重いバットから軽いバットに変更するなどした。
打てていない中でも「打率より悪くないなと思っているので、あとは1、2打席で結果を出して、後半打席立てるようにと思ってやっています」と前を向いていた。
5月に入り当たりが出てきた。ここまで月間打率は.417。その要因について訊くと「ちょっとポイントを前にしてヘッドが返るところでというか、引っ掛けるくらいの感じで行ったらヒットが出始めました」と説明。
開幕前に話していた“力を抜いて打つイメージ”とは違うのだろうかーー。
「そうですね、また違う感覚で打っています」。
打撃の状態については「少しずつ良くなっているかなと思います」と好感触。打球を見てもライト方向へのポップフライのアウトが減り、「レフト方向を狙う感じで行っているので、うまく引っかかっているかなと思います」と、レフトにライナー性の打球が増えている。
「守備も大事ですし、攻撃の方もなかなかチーム的には点数が取れていないので、点数に絡めるようになんとか頑張って行きたいと思います」。開幕直後は苦しんだが、ここから攻守にしっかりと貢献していくつもりだ。
取材・文=岩下雄太