「両方(ストレート・ツーシーム)ともすごくいい感じで、(体が)開かないのでどっちもいい感じに威力があって、真っ直ぐもいい感じです。今はバッターに入っていける感じがしますね」。
ロッテ・八木彬はストレートとツーシームに一定の手応えを掴んでいる。
八木は「自分の前の真っ直ぐは強さがないというか、強さがあるけど怖さがない。綺麗すぎると感じだったので、もっと球的に汚く、変化してやった方が打ち取れるんじゃないかなと二軍監督に言われてそれでやってみたらハマったみたいな感じです」とサブローに軍監督の助言で昨季途中にツーシームを覚え、モデルチェンジを図った。
昨年の秋の時点で「(ストレートを)投げる予定は今の所ないですね」と話していたが、今シーズンが始まってから「ツーシームを投げすぎて、体が開き気味になっていたので、それを戻すのに真っ直ぐを投げている感じです。強い真っ直ぐというところがあってのツーシームというところだと思ったので、まずは真っ直ぐをやっていました」と再びストレートを投げるようになっている。
ファームではストレート、ツーシームを使い抑えていたが、一軍では打者の反応という部分でどうなのだろうかーー。
「去年は割とツーシームオンリーだったので、内にくるというデータが相手バッターもあるのかなと思うんですけど、外も強い球があるとなれば、バッターも刺されることがあるので、真っ直ぐも使って行っているという感じです」。
武器にしているフォークの落ちも良い。今季初登板となった4月30日のオリックス戦、野口智哉を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた143キロフォークが良い落ちだった。
八木はフォークについて「ちょっと潰している時も多々あるんですけど、まだ決め切れていない球もありますし、良い時はいいのですが、完成度としてはまあまあという感じ。もっとあげて良くして行きたいですね」とさらに精度を上げていくつもりだ。
気になったのは今季、縦気味の軌道のスライダーも投げていること。4月16日の楽天二軍戦、1-2の6回二死走者なしで小森航太郎を2ストライクから空振り三振に仕留めた縦に落ちるスライダーだった。
「あれはその日の調子次第というか、(腕の)振り次第なんですけど、あの縦の感じが出たらすごい自分の中ではいい感じがしますね。(体が)開いている時は横に曲がっている。縦でリリースしたら投げられるという感じですね」。
4月30日に一軍昇格してからはここまで6試合に登板して、2ホールド、防御率2.70。「ストレート、ツーシームの投げ分けもしっかりできていますし、フォーク、スライダーもしっかり活かせているんじゃないかなと思います」と自己分析。
「本当に僕の場合はどこでも投げられるような投手を目指しているので、どことかじゃなくて全てのところでしっかり抑えて行きたいです」。ストレート、ツーシーム主体の“2025年型のピッチングスタイル”で、打者を打ち取っていく。
取材・文=岩下雄太