ロッテの新外国人オースティン・ボスは、チームが最下位と苦しむ中で、7試合・42回1/3を投げ、2勝2敗、防御率2.13と抜群の安定感を誇る。
前回登板の18日の日本ハム戦も打線の援護に恵まれなかったが、8回・96球を投げ、3被安打、5奪三振、0与四球、無失点に抑えた。来日初登板となった3月29日のソフトバンク戦が5回4失点、続く4月6日の楽天戦は4回3失点だったが、来日3試合目の先発となった4月18日の楽天戦で5回1/3を投げ無失点に抑え来日初勝利を手にすると、4月25日の日本ハム戦から4試合連続クオリティスタート(6回3自責点以内)をクリア。5月はここまで3試合・22回を投げ、0勝1敗、防御率0.82だ。
開幕当初は武器にしているスライダーを多めに投げていたが、ここ最近の登板ではカットボールの割合を増やし、抑えている印象を受ける。
「スイーパーとカッターは自分の勝負球だと思っているので、どっちの割合というのは一概には言えないですけど、対戦相手とか球団、チームによっては違うと思いますし、対戦する打者によっても違うと思うので、その2球種。スイーパーとカッターは自分の勝負球として今しっかり投げています」。
4月3日の取材で「チェンジアップをしっかりと投げられるように。それができれば、武器が多くなると思うので、チェンジアップの習得が大切になってくるのかなと思います」と話していたが、開幕から1ヶ月半が経過し、そのチェンジアップも投球を支える球種の1つになっている。
現在のチェンジアップについてボスは「先発ピッチャーとしてチェンジアップは大切な球種だと思うので、有効な球として投げ込んでいかないと。右バッターもそうですけど、左打者に対しても投げていますので、先発としてしっかりチェンジアップを投げられる気持ちでいます」と自信を見せた。
カットボール、チェンジアップといった変化球もそうだが、日本の打者の特徴や傾向を掴んだことも好投の要因になっているのだろうかーー。
「右、左とこの時期、どんどん対戦していますので、打者を知ることが日本で成功する秘訣だと思いますので、しっかりと今でも学んでいます」。
また、昨季プレーしたマリナーズでは68試合に登板するなどリリーフ中心だったが、新天地となるマリーンズでは先発を務めている。先発のルーティンは確立できたのだろうかーー。
「確立しています。登板の間隔の間、前回登板と次回登板の間のルーティンはしっかりやっています。ブルペンは必ず2日空けますので、ルーティンを大切にしています」。
ボスが投げれば、ある程度長いイニングを投げ最少失点に抑えてくれるという期待感がある。「しっかりと先発の準備をして試合を作って、チームが勝てるところにけるように準備してこれから頑張っていきたいと思います」。安定した投球でチームを支えていく。
(オースティン・ボス投手通訳=千葉ロッテマリーンズ・矢嶋隆文通訳)
取材・文=岩下雄太