ロッテの茶谷健太は与えられた打席機会で、結果を残そうと必死にアピールしている。
茶谷は昨季まで2年連続で開幕から一度もファームに落ちることなく一軍で戦い抜いたが、今季は「結果が残せていなかったので、悔しいはもちろんあるんですけど、しょうがないなと。結果が残っていないのが全てなので」と、開幕二軍スタート。
4月5日に一軍登録されたが、出場機会は主にショート、ファーストの内野の守備固め。ここまで25試合に出場しているが、そのうちスタメン出場はわずかに4試合だ。
茶谷はスタメン出場した4月30日のオリックス戦を最後に打席に立つ機会がなかったが、5月初打席となった21日のオリックス戦、0-0の3回一死二塁の第1打席、宮城大弥が3ボール2ストライクから投じたストレートを見送り四球を選ぶと、続く0-0の5回二死走者なしの第2打席、宮城が2ボール2ストライクから投じた5球目のストレートを二塁打。さらに1-3の7回二死一塁の第3打席は、宮城が1ストライクから投じた2球目のスライダーをライト前に運び、久々のスタメン出場、打席機会で全打席出塁した。
翌22日も、0-0の3回無死走者なしの第1打席に四球を選ぶと、0-0の5回二死一塁の第2打席、「繋いでいこうという気持ちでいったことがああいう結果になってくれたと思います。しっかり振りぬくことができました」とオリックス先発・田嶋大樹が3ボール2ストライクから投じた8球目のカットボールをレフトフェンス直撃の適時二塁打。
3-0の7回二死一、二塁の第3打席、「追い込まれていたのでコンパクトにセンター方向のイメージで打ちに行きました。ランナーを返すことができて良かった」と、川瀬堅斗が1ボール2ストライクから投じた5球目のストレートをセンター前に適時打を放ち、2試合連続のマルチ安打を達成した。5月はここまで5打数4安打で、月間打率は.800だ。
打席に立つ間隔がかなり空いた中で、きっちりと結果を残していることについて、茶谷は「とにかく結果を出せたことがよかったです」と振り返った。試合で打席に立つ機会がない中で、試合前の練習では「実戦に近い速いマシンを見たり、打ったり、できることはそこしかない」と、とにかく今できることを行っている。
◆ 左投手キラーぶり発揮
茶谷の特徴のひとつが、“左投手”の強さ。24年は左投手に対して打率.158だったが、22年が打率.350、23年も打率.375。そして、今季は左投手にここまで12打数5安打、打率.417と打っている。再昇格直後、左投手について「あんまり打っている印象がないですね。どうしても右投手との対戦が多くて、右の方が打っているかなという感じがします、今のところ」と話していたが、5月24日の取材では「左に出させていただいているので、はい」と首脳陣に感謝した。
今季に向けて、「ちょっとバッティングフォームを一から作り直そうと思って、結構変えました」と打撃フォームを変更したが、「自分が気になっているところが少しずつ確率が上がってきているのかなという感じがします」と好感触。安打が出ているのも、「強い打球が打てているのかなと思います」というのが理由だ。
バットでアピールすることはもちろん、試合前練習では「どこで出るかわからないと思うので、基本的にノックは3ポジションやって、(試合前練習で)全部やるのが時間的に難しいので、シートノックはセカンドに入るようにしています」と、試合前練習ではショート、サード、ファーストのポジションでノックを受け、シートノックではセカンドに入る。どこのポジションで出場してもいいように、準備をしている。
「いきなりスタメンで出させていただくことがあるかもしれないので、その時にどんな形でもいいのでチームに貢献できるように頑張りたいと思います」。“左投手に強い”背番号67は、与えられた出場機会でこの先も結果を残していくつもりだ。
取材・文=岩下雄太