パドレス・松井裕樹(写真=GettyImages)

 今季がメジャー2年目のパドレス・松井裕樹。173cm、75kgという小さな体は、メジャーの怪力男たちの中に入るとより華奢に見えるが、並み居る強打者と対等に渡り合っている。

 しかも、デビューから負傷者リスト(IL)入りすることなく、マウンドに立ち続けているのは立派の一言。今季はここまで21試合に登板しているが。これは昨季の64試合を上回るペースである(今季の数字はすべて日本時間26日現在、以下同)。

 昨季に比べると、成績も軒並み上げている。防御率は3.73から2.53、被打率は.204から.167、奪三振率も9.91から10.55と、2年目のジンクスを覆す活躍を続けている。

 ただ、昨季9個を数えたホールド数は今季まだ1個だけ。リードされた場面での登板がほとんどで、「勝利の方程式」に加わることはできていない。

 パドレスの救援陣といえば、かつて阪神でプレーした守護神のロベルト・スアレスを中心に、ジェーソン・アダム、ジェレミア・エストラダ、アドリアン・モレホンらが勝ち試合の7回以降を主に担っている。しかし、5月に入ってから自慢の救援陣が打ち込まれるケースも増え、月間防御率2.00を誇る松井の安定感がより際立っている。

 松井がチームの勝利の方程式に加わるためには、このまま好投を続けていく必要があるが、実はその可能性はかなり高い。

 というのも、松井は楽天1年目の2014年以降、いい年と悪い年を交互に経験しており、今季が前年から良化する年だからである。

【松井裕樹、プロ入り後の年度別成績】

2014年   27試合   4勝8敗 0セーブ 防御率3.80

2015年   63試合   3勝2敗 33セーブ 防御率0.87

2016年   58試合   1勝4敗 30セーブ 防御率3.32

2017年   52試合   3勝3敗 33セーブ 防御率1.20

2018年   53試合   5勝8敗 5セーブ 防御率3.65

2019年   68試合   2勝8敗 38セーブ 防御率1.94

2020年   25試合   4勝5敗 2セーブ 防御率3.18

2021年   43試合   0勝2敗 24セーブ 防御率0.63

2022年   53試合   1勝3敗 32セーブ 防御率1.92

2023年   59試合   2勝3敗 39セーブ 防御率1.57

2024年 64試合   4勝2敗 0セーブ 防御率3.73

 松井のシーズン防御率の推移を見ると、2年連続で良化させた年も、悪化させた年もない。グラフの線は100%の確率でジグザグを描いている。

 まさに松井にとって今季は“いい年”であり、10年続くジンクスの通りなら昨季の3.73から良化することはあっても悪化することはないというわけだ。

 さらに楽天時代は奇数の年に必ず防御率0点台か1点台を記録していた。メジャー2年目の今季もこれを継続できれば、強力なパドレス救援陣の勝利の方程式に入ってきてもおかしくない。ドジャース、ジャイアンツらと繰り広げる地区優勝争いにおいて、松井の存在感はますます高まっていくだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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