カブス・鈴木誠也(写真=GettyImages)

◆ 白球つれづれ2025・第21回

 ドジャースの大谷翔平選手がナ・リーグトップタイに並ぶ18号本塁打を放った。

 打った相手がメッツの千賀滉大投手だから、この日本人対決は米国でも大きな関心が寄せられた。

 そんなニューヨークの熱狂の裏で、もう一人の日本人メジャーリーガーも素晴らしい働きを見せていた。カブスの鈴木誠也選手だ。

 現地時間25日、シンシナティで行われたレッズ戦に「3番・DH」で出場すると4打数3安打の固め打ち。しかも、8-8の壮絶な打撃戦の8回に14号決勝3ランで、打点を49と伸ばしてナ・リーグのトップに立った。

 日本人メジャーリーガーが珍しい時代ではない。

 大谷を筆頭に山本由伸、佐々木朗希のドジャース勢を筆頭に、メッツの千賀、パドレスのダルビッシュ有、松井裕樹やエンゼルスの菊池雄星、オリオールズには36歳のオールドルーキー、菅野智之も入団。そしてカブスには今永昇太とタイガースを自由契約になった前田健太もいる。

 だが、日本人の野手に限れば、現時点メジャーで活躍しているのは鈴木ただ一人。さかのぼっても現地で広く認知されている野手と言えばイチローに松井秀喜氏くらいだろうか。それほどまでに日本人野手にとってメジャーの壁は険しい。

 183センチ、83キロ。公式記録に記載される鈴木の数字である。おそらく体重は90キロを超えているだろう。大谷同様、筋トレに励みパワーアップした肉体は胸板の厚さと二の腕の太さに表れている。日本国内でいれば平均的な体格でもメジャーでは小柄の部類だ。常に結果を残さなければ居場所はない。

 23年に広島からポスティングでカブスに移籍して4年目を迎える。

 過去3年間の成績を見ても通算で打率.278、本塁打55本に193打点と悪くはない。昨年はMLBが選ぶ「無冠のベストナイン」右翼手部門で選出されている。つまり、ベストナインには届かないが、次点クラスの選手と言うわけだ。

 しかし、鈴木は今シーズンを前に自らの立場を「背水の陣」としている。

 グラブには「今度やったらクビ」と刺繍があしらわれている。近年、大事な場面で二度、三度と落球や処理ミスを犯した。本来なら右翼が定位置だが、首脳陣の信頼を失い守備機会が減っていった。加えて故障で戦列を離れていた主力のハップが戻ったことで現在は4番目の外野手か、指名打者を任されることが多くなった。DHが中心なら、なおさらのこと打撃で数字を積み上げて信頼を勝ち取るしかない。

 開幕のジャパンシリーズ、対ドジャース戦では大谷や今永の活躍をよそに自身は不発で出遅れたかに見えたが4月に入ると徐々に調子を上げた。月間打率は3割4分を超えて6本塁打。好調なチームは塁上も賑わしているから打点も稼げる。勝負強い打撃でついに打点部門のリーグトップまで躍り出る。今や中地区首位の原動力と言っていい活躍である。

 現地時間今月12日のマーリンズ戦では4年連続の10号本塁打を記録。日本人野手で入団以来4年連続となると大谷以来2人目、右打者に限れば初となる。

 鈴木と言えば、広島時代から選球眼の良い打者として定評があった。これに関してメジャーでも興味深いデータがある。

 カウント別打率を見るとノーボール・ツーストライク(0-2)では18打数ノーヒットに対してツーボール・ノーストライク(2-0)では8打数3安打、打率.375に上がり、スリーボール・ワンストライク(3-1)なら7打数3安打で打率.429。最も好成績はワンボール・ノーストライク(1-0)のケースで18打数10安打、打率.556と跳ね上がっている。(数字は日本時間26日現在)

「好球必打」のカウントはおおむねどの打者にも共通するがこれほど極端な例は珍しい。つまり、メジャーの戦いに年々慣れて、なおかつバッティングカウントと場面を絞って狙い撃ちが出来るから打点も稼げるのだ。

 広島時代には「神ってる」活躍が流行語大賞までなった鈴木の「神ってる」メジャー版第二章は本物なのか?

 この調子なら、7月に行われるメジャーオールスター戦で、大谷や山本、千賀らに交じって選出されるのも夢ではない。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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