ロッテは現在17勝28敗で最下位に沈み、苦しい戦いが続いている。
勝ちゲームが少なく、勝ちパターンで投げる鈴木昭汰は先週1週間は1度も登板がなかった。登板がなかった期間も、「投げられていないことは自分で操作できないので、準備しているのもありますし、そんなに間が空いて狂ったというのはないです」と自分のルーティンを黙々とこなした。
5月18日の日本ハム戦以来の登板となった5月27日のオリックス戦は、かなり難しい状況でのマウンドになった。6-0の9回に登板した小野郁が4連打で3点を失い、なお無死一塁の場面で鈴木の名前が場内からコールされた。6-0で9回を迎え、本来であれば抑えの投手が出てくることが想定しにくい場面、さらにオリックスの勢いがついた中で、難しい場面での登板となったが、「入り遅れをしたくなかったので、心の準備だけはしていました」と気持ちを切らすことはなかった。
「オリックスも押せ押せでしたし、マリーンズも僕が上がった時は6-3になっていたので、しっかり1人1人抑えて勝つことを意識してやっていました」。
この場面、まずは最初の打者を抑えなければというのはあったのだろうかーー。
「最初の打者というか、点差も3点差あった。2点までOKという状況だったので、ランナーを溜める状況が一番良くなかった。どんどんストライクを出して打ち取って行こうと思っていました」。
最初の打者・頓宮裕真を三ゴロに仕留めると、続く森友哉にレフト前に運ばれ一、三塁とされる。杉本裕太郎にライトへの犠飛で1点を返されるも、最後は中川圭太を3ボール2ストライクからインコースのストレート、鈴木が得意にしているコースで見逃し三振に仕留め、試合を締めた。
「ずっと外を攻めていたので、最後は一番自信のあるボールで、ファウルされたら、そのあと考えようと思って割り切って投げましたね、あの1球は」。
◆ 「みんなが守ってきた勝ちのリードを許さずという想い」
チームがなかなか勝てず苦しい状況で登板機会が少なくなっていることに加え、その分、勝つことへの重みが大きくなっている。絶対に抑えなければいけないというプレッシャー、ファンからの期待など、どういう思いで今は投げているのだろうかーー。
「チームがあまり勝っていない時に、行くわけなので、絶対にみんなが守ってきた勝ちのリードを許さずという想いだけですね」。
ブルペン陣も現在、益田直也、澤村拓一、国吉佑樹といった実績のある30代のベテラン選手が一軍不在で、若い投手中心の構成になっている。
「やることは変わらないし、ベテランがいなくて普段頼りにしていたことが顕著に表れていますけど、それをいつまでも頼っているようじゃダメだし、自分がそういう役割を担っていければいいなと思っています」と頼もしい言葉。
登板間隔が空いたりする中でも、鈴木自身の状態は「悪くないですよ」とのこと。「1試合1試合変わらず、出された場面、みんなが守ってきた1点、2点を必ず抑えていけるようにやっていきたいと思います」。チームを勝利に導くため、必死に腕を振る。
取材・文=岩下雄太