ドジャース時代の野茂英雄氏

 伝説の右腕がメジャー初勝利をつかんだのは、ちょうど30年前のきょう(日本時間6月3日、以下同)だった。当時26歳の野茂英雄である。

 1995年のメジャーリーグは、前年夏に突入した選手会によるストライキの影響で、当初の予定より3週間以上も遅い4月下旬にレギュラーシーズンが開幕を迎えた。

 232日に及ぶストライキは、ファンの野球離れにつながった。各球団が開幕から観客動員に苦しむ中、一筋の光をもたらしたのが、他でもない2月にドジャースとマイナー契約を結んだ野茂だった。

 前年まで5シーズンを過ごした近鉄との決別についての詳細は省くが、すったもんだの末、渡米した野茂。デビューから4年連続で最多勝と奪三振王に輝くなど、日本のエースと呼ばれる存在だったが、当時は日本人選手がメジャーで通用するかどうかは全くの未知数だった。

 なにせ、日本人初のメジャーリーガー村上雅則氏の挑戦からちょうど30年の月日が経過していたのだから。かくして史上2人目の日本人メジャーリーガーとなった野茂は、5月3日の初登板で5回1安打、無失点の鮮烈デビューを果たした。

 その後は2度目の登板で7失点の炎上を喫したが、5月は6試合に登板して0勝1敗、防御率3.82と合格点の数字を残していた。

 ただ、近鉄時代から続く制球難は相変わらずで、33回を投げて与えた四球は25個(与四球率6.8)。今季、ドジャースでデビューした佐々木朗希(与四球率=5.8)よりも酷いノーコンぶりを披露していた。

 しかし、6月に入ると、文字通り“ツキ”が替わった。野茂にとってシーズン7度目の先発マウンドは、本拠地ドジャースタジアムで行われたメッツとの一戦。

 驚異的な制球力を誇るブレット・セイバーヘイゲンとの投げ合いとなった試合で、野茂は2回に先制点を許したが、9回の先頭打者に四球を与えるまで2安打1失点の好投を見せた。打線も何とか2点を援護すると、最終回は守護神トッド・ウォーレルがメッツの反撃をしのぎきった。デビューからちょうど1か月、野茂が待望のメジャー初勝利を挙げた瞬間であった。

 この勝利で波に乗った野茂は、6月に先発した6試合で6勝0敗、防御率0.89の大活躍。全試合で8回以上を投げるタフさも見せて、課題の制球力も改善に成功していた。

 ロサンゼルスで発生した“トルネード旋風”はその後、全米に拡大。7月のオールスターゲームに堂々、選出されると、なんとナ・リーグの先発投手に指名され、2回を1安打3三振、無失点の好投を見せた。

 結局、1年目からフル回転した野茂は、13勝6敗、防御率2.54、奪三振236の活躍で、ナ・リーグの新人王と奪三振王に輝いた。野茂の成功がなければ、その後、日本人選手がメジャーに挑戦する流れもできなかったかもしれない。6月3日の好投は、歴史を変える重要な転換点の一つだった。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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