「守備はピッチャーの成績も関わってくるので、助けられるようにと思っています」。
ロッテの友杉篤輝は今季、ここまで32試合でショートのポジションで出場しているが無失策。広い守備範囲で、何度も投手を救っている。
5月20日のオリックス戦、0-1の6回二死一、三塁で西野真弘の三遊間の打球を逆シングルでキャッチし、難しい体勢で二塁へ送球しアウトにすれば、5月28日のオリックス戦、1-0の5回先頭の西野が放ったピッチャーの股を抜けるあたりに、ひょこっと現れスライディングでキャッチしすぐに立ち上がり一塁へ送球しアウト。さらに同日のオリックス戦、1-1の8回二死満塁で西川龍馬のセンターへ抜けそうな鋭い当たりに、横っとびでキャッチし、素早く一塁へ送球しアウトにしたのは素晴らしかった。
好守備が多い要因に友杉は「送球が良くなっていると思うので、それと一緒に安定しているかなと思います」と分析する。
“送球が良くなっている”でいえば、昨年ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習で、「根元さんと課題でゲッツーのスローイングの確実性、ランニングスローの確実性だったりというところをやっているので、うまく体の使い方を覚えながら正確性を上げていけたらと思います。守備はショートとして一番大事だと思うので、毎日しっかりやっていきたいと思います」と、全体練習後の特守でスローイングの練習に力を入れていた。
その守備練習で意識していたのが、“軸足”の使い方。「根元コーチから守備に関しては、軸足じゃないかと言われるので、今(昨年11月6日取材)は取り組んでやっています。スローイングは今年(2024年)から力を入れてやっているんですけど、今(昨年11月6日取材で)は結構バッティングも守備も右足の軸の足の使い方を言われるので、軸足の使い方を意識したらスローイングも良くなってきました」。
2月の石垣島春季キャンプでも守備に関して、「去年よりもいいスローイングになってきたと結構実感できているので、実戦が楽しみですし、実戦たいいボールが投げれるかっていうのを楽しみにしながらやっていますね。守備は特に軸足意識しながら継続してやれてるかな。それもだいぶ良くなってきたかなって思います」と好感触を掴んだ。
シーズンが開幕してから“軸足”を意識してやってきた成果が出せているか訊くと、「そうですね、それもあると思いますし、縦振りというか上から回転よくというのを意識してから送球がすごく良くなったかなと思います」と話した。
これまでも守備範囲は広かったが、今季はさらに守備範囲が広くなったように見える。友杉本人は「あんまり広くなったとは感じないですけど」としながらも、「送球が良くなったので、アウトにできている数が多くなっているのかなと思います」と話した。
ショートという過酷なポジションで、ここまで無失策。どんな守備を目指しているのだろうかーー。「ミスは誰にでもあるので、そこは気にしてはいないですけど、結果的にゼロというのはいいことだと思います。僕の売りはスピードなので、みんなが捕れない打球をアウトにしたいなという気持ちはずっともっています。そこはやっていきたいかなと思います」。
広い守備範囲で、投手を助けていく。
取材・文=岩下雄太