終盤驚異的な粘りを見せ、今季2回目のサヨナラ勝利を飾ったベイスターズ。決めたのは三森大貴の一打だったが、そのお膳立てをしたのは京田陽太の気持ちのこもったヒットだった。
最終回、1点をもぎ取り試合を振り出しに戻したDeNAは、延長10回先頭の京田陽太がレフトのグラブをかすめるツーベースでチャンスメイク。状況は1死満塁と変わり、サードへ進んだ京田は三森のタイムリーで決勝のホームを踏んだ。
三浦監督は二塁ベース上で派手なガッツポーズを決めた京田に「その前に三振したときもでしたね」と8回にも感情を顕にしていたことも思い出しつつ「先頭で簡単に打てるピッチャーじゃないところで、なんとか喰らいついてバットに当てて、気持ちが乗り移ったからこそ、いいところのフェアゾーンに落ちてくれたのかなと思います」と気迫の勝利と分析。「京田もいろいろな想いがあった中での先頭で出塁してくれて、セカンドベース上からベンチを鼓舞してくれました。さあ行くぞ!ってものを作ってくれました」と最敬礼した。
さらに9回の守備では素手でキャッチしてのランニングスローでアウトにした場面にも「非常に難しいプレーでしたけれども、確実にさばいてくれました」と流れを渡さぬディフェンスにも頷いた。
殊勲の三森も「今日は守備で緊張していたのですが、京田さんにどうすればいいですかって話しかけて。安心感がありますし、なんでもサポートしてくれますし、ありがたい存在です」と感謝するなど、影に日向に活躍した一日だった。
京田自身は「これだけチャンスを頂いているにも関わらず、なかなか結果を出せていないのは僕の責任」と最近スタメンで爪痕を残せなかったことを反省しながら「使ってくれた監督含め、ベンチのおかげです。感謝したいと思います」とコメント。ガッツポーズにはには「足引っ張ってばかりだったので無意識でした。チャンスメイクできましたからね」と思わず感情が爆発したと振り返った。
「ぼくは必死にやるだけなんで。途中から行くと凄い場面もあるんですけれども、期待に応えられるようにやるだけです。スタメンでもなんでも、試合に出てなんぼの世界なので、どんな場面でも打られることに感謝してやるだけです」守備ではマルチポジションをこなし、代打代走守備固めと多岐にわたる役割をこなす京田陽太は、やはりチームには欠かせない。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘