「ホッとしたというところが正直なところですけど、はい」。
ロッテの石川柊太は前回登板の4日の巨人戦で、7回・93球を投げ、3被安打、3奪三振、無失点に抑え、嬉しい移籍後初勝利を手にした。
前回登板の巨人戦は、立ち上がりはストレート主体で、2巡目以降は変化球が多かった。これはプラン通りだったのだろうかーー。
「プラン通りというか、偏らず満遍なく使えばいいし、真っ直ぐをどんどん投げていったら、変化球みたいな流れだったんじゃないですかね」。
5月20日のオリックス戦はフォーク少なめで、5月27日の巨人二軍戦、そして4日の巨人戦は持ち球を満遍なく投げていた印象。
「フォークは結構、感覚が良かったので使っていこうという話はありましたし、バッターもカーブを意識してくると思うので、1球はカーブくるだろうというつもりでこっちも心持ちしておかないと。そこがハマっちゃったら、待っている球を投げて抑えるというのは確率的に難しかったりという状況があるので、そこら辺は戦略的に不用意にカーブをカウントで使うようにしないようにしていましたね」。
そこは佐藤都志也とバッテリーを組む機会が増えて、投げたい球が一致してきたことも関係しているのだろうかーー。
「それは増えてきているんじゃないですかね。そもそも話す中で、お互いにどう考えていて、“フォークいいっすよ!”という話をしてくれたり、(佐藤)都志也がどう感じているかが自分の中で大事だなと思っています。そこはコミュニケーションを取りながら、自分がこうだからこうという押し付け的なものは、なかなかサインが決まらないといったらアレですけど、試合の中でいいコミュニケーションが取れない。とにかく、都志也がどう思って、どう感じているのかをなるべく引き出せるように、聞き出せるように意識しています」。
その中で、移籍後初勝利、それもマリンスタジアムで白星を挙げた。
「1試合でも早く勝ちたいというところはありましたし、ホームだろうとビジターだろうと、早いに越したことはないので。結果的にホームで勝てたというのは、ヒーローインタビューをホームでやったというところも新鮮でしたし、そこは良かったかなと思います」。
移籍してから打線の援護が少なく、なかなか白星に恵まれなかった中で、ゼロで抑えていかなければというプレッシャーはなかったのだろうかーー。
「そんなに自分の中では大きく気負う必要はないと思っていたので、とにかく1人1人抑えていくことが大事だと思っていましたし、ピンチが来た場合、最少失点で抑える。自分の中で大事にしていく方が結果的にゼロを積み重ねる確率が上がると思ったので、そういうのはありましたね」。
この1勝をきっかけに、どんどん白星を重ねていきたいところ。「良さを全面に出していきたい部分もありますし、良い時は良いではなくて、良くない時も踏ん張って、そういうピッチングを心がけていきたいと思いますね」。今夜もテンポの良い投球で、チームに白星をもたらす。
取材・文=岩下雄太