今井達也VSトレバー・バウアーの対決は、今井に軍配。バウアーも9回途中で3失点と決して責められる内容ではなかったが、今井はそれを上回る快投を見せた。DeNAのヒットは牧秀悟の2本のみ、さらに西武の記録を更新する17三振を奪われるなど、まさにお手上げの状況だった。
バウアーは今井との対戦を「とても楽しかった」と振り返り「間違いなくメジャーでいつかはプレーできることができる投手」と絶賛。「アームアングルがとても低いところから投げることと、真っ直ぐの軌道が他のピッチャーにはないものであること。あとはコマンドも素晴らしく、球速を変える真っ直ぐで緩急を付けられる」とし「ポール・スキーンズ選手のようなスタイルだと思います」とメジャーで昨年新人王を獲得した右腕になぞらえた。2年前には山本由伸や佐々木朗希を参考にしてきたが「僕はどちらかというと高低で勝負するタイプ。今井選手はスライダーが特徴的で、どちらかというと左右で勝負するタイプ。ちょっと難しいかなと思います」とスタイル的な違いが大きいのではと分析していた。
打撃面を統括する靍岡賢二郎オフェンスチーフコーチは「奪三振能力が高く、真っ直ぐが特徴的。アームアングルが低く、ショートアーム気味なのでバッターとしてはかなり嫌な軌道なんです。追い込まれてから空振りを取りに来るときはギアも上がるので、その前になんとか仕留めようと思っていたのですが」と早いカウントでの勝負に活路を見出そうとしたが、うまくハマらなかったと項垂れた。
三浦監督も「真っ直ぐもフォークもスライダーも良かったですね。牧の2本だけでしたからね」と脱帽。「仕掛けていかないと」と2回先頭でヒットを放った牧をスタートさせたが盗塁失敗となり「いいスタートを切ってくれたんですけれども、あそこまで完璧な送球をされると…。間一髪だったんですけどね」と西武バッテリーが一枚上手だったと振り返った。最後も「三振17個もそうですけど、フォアボールも取れなかったですからね」と今井を称えるしかなかった。
明日も好投手の隅田知一郎との対戦が控えている三浦ベイスターズ。「左でタイプも変わりますが、いい投手には変わりないので。もっともっと割り切って生かせるように、ミーティングから後押ししていけるようにしていきます」と結んだ番長の手腕に期待したい。
取材・文・写真 / 萩原孝弘