好投手の西武・隅田知一郎から3点をもぎ取り、連敗を5でストップさせたベイスターズ。宮﨑敏郎の技ありの逆転打も光ったが、先発のアンドレ・ジャクソンを引っ張り、バットでも貢献した山本祐大の働きも見逃せないポイントとなった。
ジャクソンは先制点をもらった直後、いきなり逆転弾を浴びるなど本調子ではない中、山本は丁寧なリードで相手打線を翻弄。6回まで2失点のQSにジャクソンを導くと、あとを継いだ伊勢大夢、ローワン・ウィック、入江大生とタイプの違う3人のリリーバーを引っ張り、無失点リレーを完成させるアシストで存在感を見せつけた。
打撃でも得点には結びつかないものの4回先頭で二塁打を放ち、わずか1点差の8回にはボールを惹きつけながらライトへ運び、2点差に突き放す貴重な犠牲フライを打ち上げてみせた。
試合を終えた三浦監督は「打者の反応をよく見ながら両サイドを突けてました。基本は真っ直ぐとスライダーで行く中でインコースも使ってますし、チェンジアップもしっかり決めれたと思いますよ」と捕手としての洞察力を評価。また2回にいきなりヒット、ホームランで逆転された場面に「2点ポンポンと、初球初球、2本ともでしたしガタガタって行くところをね、もう1回立て直したっていうのは、バッテリーのおかげだと思いますね」とジャクソン共々、しっかりと修正したポイントに頷いた。
またバッティングに関しても「しっかり準備して、勝負強さを今日も存分に発揮してくれました。バッティングもここのところ上向いてきたなって、いいところで祐大らしいバッティングが出てきてますからね」と上昇気配を実感。「最後もなんとかコトをしっかりと起こしてくれました。大きい1点でしたね」とダメ押しに近い1点を賛美した。
また相川亮二ディフェンスチーフコーチも「ジャクソンは今日あまり良くなかったですから、プラン以外のところ、普段のイメージと違うボールが来てもそれを活かす、それに対応するっていうようなリードだったと思います」とジャクソンとのコンビで臨機応変に対応したことが成功のカギと分析した。
また6月5日、11日に続き、この日で山本祐大が打点を挙げたゲームは3連勝となり「そこは選手として大事なところ。これからも打点をどんどん挙げて勝っていってほしいですね」と期待した。
好守に輝きを魅せた山本祐大。新星の松尾汐恩との戦いも熾烈だが、まだ正捕手の座を渡さぬ覚悟が垣間見えた一戦だった。
写真・取材・文 / 萩原孝弘