- BASEBALL KING
- ショウアップナイター
- 王貞治、大谷翔平を超えるヒーローが生まれる未来を 野球普及振興へ「球心会」設立
王貞治、大谷翔平を超えるヒーローが生まれる未来を 野球普及振興へ「球心会」設立

26日、東京都内で王貞治ソフトバンク球団会長が代表を務める一般財団法人「球心会」の設立記者会見が開かれた。
「球心会」は、プロ・アマ問わず、野球界に関わる組織や団体の連携を図り、幼少期の子どもたちが野球と触れ合う機会をつくるプログラムやイベントの企画運営、広報マーケティング、国際的な交流、市場開拓等、野球の普及振興に取り組む。
会見に出席した王貞治代表は、「私は選手としてプレーしましたけど、野球に対する思いというのは、やっぱり年が経っても全然変わらないんですね。私はむしろ年々その思いが強くなっている。そうであるが故に、今の野球界、このままでいいのかなという思いもありまして。プロ、独立リーグ、社会人、大学野球、高校野球、軟式野球、女子野球、ソフトボールとか、いろいろ組織があるんですけど、なかなかそのコミュニケーションがあまり取れていなかったと私は受け止めていて、せっかくそういう組織の皆さん、しっかりしたものがあるのに、もうちょっと横の繋がりを良くできたら、もっと野球界のためになるのにと思って、仲間たちといろいろ話をした上で、そのお役に立てる仕事をしようじゃないかということで、この『球心会』を設立することにいたしました」と説明した。
少子化が進む昨今、国内では幼少期の子どもたちが野球に触れる機会の減少が危惧されている。先月23日に設立された「球心会」は、「BEYOND OH!PROJECT」と銘打ち、王貞治、大谷翔平を超えるような世界的ヒーローが生まれ続ける未来をつくるべく、野球界の各組織・団体との連携を図りながら、リソースの支援を企業等に募り、幼少期の子どもたちが野球に触れる機会を増やす取り組みや、保護者へのコミュニティサイトを通じた情報提供といった施策を進める。
設立記者会見に同席した副代表を務める侍ジャパン前監督・栗山英樹氏は、今月3日に亡くなった長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督から生前預かった手紙を紹介した。
「王貞治様
王さん、野球界の更なる発展を目指した『球心会』の結成、おめでとうございます。
アマチュア、プロの垣根を超え、王さん自らグラウンドに飛び出されると聞き、
私にできることがあれば大いに協力したいと考えています。
野球界がひとつとなり、これから更に野球人気が高まることを期待しています
令和7年5月吉日 長嶋茂雄」
「球心会」の設立理念に賛同していたことが文面から明らかとなった。
また、ヤンキースGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏からもビデオメッセージで「世界から称賛される選手を多く輩出しようという取り組み、私も大いに賛同します。そのためにも、プロ野球、そしてアマチュアを含め、みんなが同じ方向に向かっていくということはとても大切なことと思っております」とコメントが寄せられた。
会見の最後に王貞治代表は語気を強めた。「とにかくやらせてください。僕が理想としてるのは、とにかくお金をたくさん集めて野球場をつくる。子供たちが遊べるような野球場をつくる。例えば古い野球場は、使えなかったらそれを直したり、とにかく子供たちが動ける場所をもっともっとつくる。工夫をして、本当に野球場をつくって、前へ進んでるんだなというのを僕は示したいんですよ。もう口だけではこんな話は尻すぼみになっちゃうんですよ。今までもたくさんそういう話があって、前に進まなかったことはあると思うんですけど、僕は形というか『しるし』をつくりますから、皆さん協力をよろしくお願いします」。
野球界がひとつとなって取り組む未来へ向けて、力強い決意を示した。
(取材・撮影=ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)