ロッテの八木彬が28日のソフトバンク戦、5-0の9回に登板し1回を無失点に抑え、試合を締めた。
5-0の9回にマウンドに上がった八木は、先頭の栗原陵矢に対しいきなり3ボール0ストライクとしたが、4球目の151キロストレート、5球目の151キロストレートでストライクを奪いカウント3ボール2ストライクとし、最後は7球目の142キロフォークで空振り三振に斬ってとった。続く山川穂高を三ゴロに仕留め、最後は牧原大成を一ゴロに打ち取った。
八木は4月30日に今季初昇格を果たすと、「(自身がやりたいことを)出せたり、出せてなかったりですけど、出せているっといったら出せていますね」と、ここまで一度もファームに降格することなく、一軍でプレーし続けている。
勝ち試合、ビハインド、先発投手がイニング途中で降板した後の2番手で登板するなど、様々なシチュエーションでマウンドに上がる。6月11日の広島戦では、先発・西野勇士の後を受けて、1-1の6回二死満塁の場面に登板し、菊池涼介を捕邪飛でピンチを脱した。
八木は今季、先発投手がイニング途中で降板した後の2番手で登板した試合が6試合あるが、イニングまたぎとなった2イニング目に失点することはあるものの、先発投手が残した走者を1度も還していない。
「引かないように、向かっていくだけなので、そういう気持ちで投げています」とイニング途中でマウンドを上る際は、相手打者に向かっていくことを考えている。
八木は昨季、当時二軍監督だったサブロー現一軍ヘッドコーチの助言でシーズン途中からツーシームを投げるようになり、今季に入ってからは「ツーシームを投げすぎて、体が開き気味になっていたので、それを戻すのに真っ直ぐを投げている感じです」とストレートも再び投げている。
ストレートとツーシームに関して、「ストレートの方が割合的には多いので、DeNAで打たれたところとかも、もっとツーシームを使ってもいいのかなと。9:1とかになっているので、5:5くらいで投げたいなという感じですね」との考えを示した。
八木は今季、28日のソフトバンク戦のように1イニングを3人でピシャッと抑える登板もあれば、22日のDeNA戦のように3失点してしまう登板があるなど、極端な投球が目立つ。
「22日のDeNA戦は、打ち合いの試合で絶対に先頭バッターを出してはいけないところで、しっかり打たれてしまった。先頭打者が大切。打たれた試合は先頭バッターが出ているなという感じなので、あとは甘いところに相手の長打が出ないところに投げているので、そういうところを頭に入れて投げないといけないなと思いました」と反省。
打たれる登板もあるが、6月13日のヤクルト戦、4-4の5回先頭の岩田幸宏を2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた5球目のインコース152キロストレート、4-4の5回一死走者なしでサンタナを2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた8球目の外角151キロストレートが非常に良かった。
八木本人も「そこは自分も良いと思っていて、精度が高くなってきている感じがします」と振り返る。
フォークも5月30日の日本ハム戦、・0-3の7回無死満塁で五十幡亮汰に2ボール2ストライクから投じた5球目のインコースにストライクゾーンからボールゾーンに落ちる142キロフォークで空振り三振を奪ったボールは良い落ちだった。
フォークは「東京ドームの楽天戦の後、ジョニーさんにフォークをちょっと教えてもらって、浮くのが少なくなっています」と好感触を掴む。
「勝ちに貢献できるような投球で無失点、最少失点で抑えられるようにやっていきたいと思います」。無失点の投球を増やし、安定した投球でブルペン陣を支えていきたい。
取材・文=岩下雄太