「そこに関してはいいことだと思っていますし、このまま引き続き怪我なく1日1日無駄のないように過ごしていければなと思います」。
ロッテの寺地隆成は今季に向けてプロ初本塁打、一軍での出場試合数を増やすことを目標に掲げていたが、ここまで5本塁打を放ち、出場数も55試合と、攻守に躍動している。
打撃面では高卒2年目とは思えないほどの技術を披露し、6月4日の巨人との交流戦から23試合連続で2番の打順で出場する。2番を任されていることについて、「任された打順で打っている感じです。そこに関しては、特にどの打順だろうがやることは変わらないので、はい」と、自身のバッティングをすることだけを考えている。
昨季ファームでイースタン2位の打率.290をマークしたが、一軍でもここまで打率.272と対応している。
「いいことだと思っているんですけど、そこに慢心せず自分の打撃を出していけていければなと思います」と慢心はない。一軍でも打てている要因について、「今年に関してはタイミングがあっている感じがあるので、(ピッチャーによって足の上げ方を小さくしたり)そこが要因だと思いますね。去年に比べたら引き出しは少しずつ増えてきているので、そこは成長過程というか、よくなってきているのかなと思います」と分析。
6月22日のDeNA戦では、0-0の初回一死走者なしの第1打席、バウアーに対し初球から右足を小さくし、1ボール1ストライクから3球目のストレートをライト前に安打を放った。
打撃に関して自身が求めている結果に「まだまだだと思いますね、1本出る日があれば出ない日もあるので、そこはなんとか1日1本打てるように頑張りたいと思います」と納得していない。
◆ オフから取り組んできたことについては?
今季に向けてシーズンオフは“ストレートの対応”、“インコースのさばき”を取り組んできたが、その成果を一軍の舞台で発揮しているように見える。
寺地本人は「まだまだやと思っているので、これからさらにインコースの対応であったり、長所でもあるセンターから左方向というところを消さないようにやっていきたいと思います」と現状に満足していない。
“まだまだ”と感じる部分はどういったところになるのだろうかーー。
「ストレートでいく中でファウルを取られたり、若干打たされている打席も多いと思うので、その打席を少しでも少なくできるように。自分からバッティングフォームを崩さないよう自分の中の形で、1球、1球対応できればなと思います」。
一軍と二軍の違いがあるとはいえ、ファームでは昨季不調の時期もあったが、今季は好不調の波が小さい。
そこに関して寺地は、「自分の中でもタイミングを崩されてしまうとフォームも崩れて打てないというのが、自分でも明確にわかっています。去年はそれがわからなかった部分があったと思うんですけど、今年は自分の中でもわかっているのでその試合の中で1打席、1打席工夫して、次の打席はこういこうというのをやっているので、去年と違う結果になっているのかなと思います」と教えてくれた。
一軍の雰囲気について「まだ不安というか、緊張感はあるんですけど」と19歳らしい一面を見せたが、「それに負けないような自分の気迫をどんどん出していければなと思います」と前を向く。「まだまだ自分の思っている以上の力を発揮できていないと思うので、1日1日最大のパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います」。高卒2年目ながら、すでに打線を引っ張る寺地。暑い夏、さらに“成長”した姿を見せてほしい。
取材・文=岩下雄太