ロッテの高卒2年目・木村優人は2日の楽天戦で、プロ入り後自己最長の6回2/3、プロ入り後最多の98球を投げ、6被安打、4奪三振、3失点にまとめ、先発初白星を手にした。
木村は23年12月7日に行われた新入団選手発表会で、“先発として勝てる投手”を目標に掲げ、昨年7月20日にはZOZOマリンスタジアムで行われた一軍の試合前練習に参加し、改めて「勝てる投手を目指して、自分が投げたら勝てると言われるように、そういうところを目指して体づくり、フォームづくりをやっていますね」と決意を口にした。
あれから約1年近くが経ち、今季は開幕一軍を掴むと、プロ初登板となった3月30日のソフトバンク戦で1回を無失点に抑えプロ初勝利、4月18日の楽天戦でプロ初ホールド、5月15日の楽天戦でプロ初セーブ、6月17日の阪神戦でプロ初先発を果たすなど、一軍で経験を積むだけでなく、立派に“戦力”として機能している。
振り返れば、今年の石垣島春季キャンプを取材した時には、“プロ初勝利”を目標に掲げ、初勝利を挙げるために段階を踏んでいきたいと話していたが、一軍初勝利、先発初勝利も達成した。
一軍のマウンドで投げる中で、“勝てるピッチャー”を目指して今も投げているのだろうかーー。それとも、一軍を経験して考え方が変わったりというのはあるのだろうかーー。
「中継ぎも経験させていただいて、いろんな場面で試合の中で投げていく場面がありましたが、先発だからといってスタイルを変えるのではなく、勝ち続けられるように。投げたらゼロで抑えられるように信頼されるピッチャー、投げたら安心して見てもらえるピッチャーになりたいと思っているので、そこが一番です」。
先発で投げ続けるために必要なことについては、「体力的な部分もそうですけど、中継ぎと違って投げるイニングも全然違うので、そこに関してはペース配分、力を入れるところであったり、ピッチングのオンとオフの切り替えをしっかりやっていきたいと思います」と話す。
チームは6日のオリックス戦に敗れ自力優勝が消滅し、開幕から苦しい戦いが続いている。その中で、木村をはじめ、田中晴也、中森俊介、野手では寺地隆成、西川史礁、山本大斗といった将来のマリーンズを背負うであろう若手選手の台頭、活躍が希望の光。“勝てるピッチャー”、“信頼されるピッチャー”、“安心して見てもらえるピッチャー”になるため、まずは今季残りのシーズンで、来季に繋がる結果、経験値を高めて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太