ロッテの友杉篤輝は、5月まで68打席立ってわずかに2四球だったが、6月以降は97打席で7つの四球を選ぶなど、しっかりと選球したり、相手投手に球数を投げさせたりと、粘る打席が増えてきている。
6月20日のDeNA戦では、4-1の9回一死二塁の第4打席、2球で追い込まれるも、そこからボール見極め、ファウルで粘り、マルセリーノが3ボールから2ストライク投じた10球目の153キロストレートを見送って、四球を選んだ。
7月8日の日本ハム戦でも、1-4の6回無死走者なしの第2打席、三ゴロに打ち取られたが、北山亘基に対して粘りに粘り13球投げさせるということもあった。
6月に入って四球が増えた理由について友杉は「もともと大事だと思っていたんですけど、振りにいく中で見極めができるようになったのかなと思います」と説明し、6月20日のDeNA戦、2球で追い込まれながら四球を選んだ打席については「結果的に四球になって良かったと思いますし、もちろん打ちにいく中で四球狙いではなくて、四球が取れているのはすごいいいかなと思います」と振り返った。
投手に投げさせた球数を見ても、5月までは1打席あたり3.6球だったのが、6月以降は4.2球に増えている。10球以上投げさせた打席は5月まで1度もなく、1打席に最も投げさせた球数は8球だったが、6月以降は10球以上投手に球数を投げさせた打席はすでに3度ある。
また、「ちょっとポイントを前にしてヘッドが返るところでというか、引っ掛けるくらいの感じで行ったらヒットが出始めました」と5月に月間打率.311をマークしたが、「今もポイントを前にして打っていますし、ちょっと追い込まれたらより前にするくらいのイメージを持ちながらやっています」と教えてくれた。
ライトへのポップフライが減り、レフトへの安打が増えている。7月はここまで8安打だが、打球方向を見るとそのうち6安打がレフトに放ったもの。「結果的に引っ張る打球が増えているんですけど、6月27日のソフトバンク戦の最後の打席のライトフライとか勿体無い。そういうのを減らしていけたらなと思います」と話した。
得点圏での1本も出ており、6月は得点圏打率.313、7月もここまで得点圏打率1.000、シーズンでは得点圏打率.308と勝負強さが光る。「ランナーがいない時よりもより積極的にというイメージでやっています」と明かす。
9番・友杉が出塁し、1番・藤原恭大に繋ぐ場面が増えてきている。「まだまだ打てていないと思いますし、守りの方ももっともっとできると思ってやっていければと思います。ショートのポジションでここから最後まで出続けられるようにまずは頑張っていきたいと思います」。ショートのポジションを不動のモノにするためには、バットで結果を残していく必要がある。安打が出なくても、粘って四球を選んだり、相手投手に球数を投げさせるなど、内容のある打席を増やしていきたい。
取材・文=岩下雄太