18時からZOZOマリンスタジアムで行われる西武戦に先発するロッテの田中晴也は、今季ここまで9試合・53回1/3を投げ、3勝5敗と黒星先行も、イニング数を上回る60奪三振、防御率は2.53と安定した投球を見せる。
練習試合、オープン戦ではストレート主体の投球をし、3月12日の取材で「シーズンを通して真っ直ぐが軸にならないといけないピッチャーなので、変化球を投げてもシーズン序盤ですし、真っ直ぐが通用しないことにはシーズン通用しない」と話していたなかで、シーズンが始まってからも力強いストレートで打者を圧倒する。
ここまでのストレートについて「開幕当初と比べると、平均球速が落ちているので少し気になるんですけど、アベレージが50というところは出ているので、まだ評価ができるのかなと思っています」と自己分析。
田中の投球を支えるひとつがフォーク。前回登板の6月29日のソフトバンク戦、0-2の6回一死二、三塁で栗原陵矢を2ボール2ストライクから5球目の137キロフォークで空振り三振、山川穂高を申告敬遠で満塁としたが、谷川原健太を1ボール2ストライクから137キロのフォークで空振り三振。ピンチの場面で、三振に仕留めたフォークは非常に素晴らしかった。
「まだ試合によってバラバラのところがあるのであれですけど」と反省しながらも、「良い時のフォークはすごい感覚が良いですし、あとはクオリティというのを毎試合コンスタントに出せれば、だいぶいい形になってきているのかなと思います」と手応えを口にする。
ストライクゾーンからボールゾーンに落差の大きいフォークで空振りの山を築く。「高さ勝負のところを意識しているので、とにかく高さだけを間違えないように投げた上で、いい高さに行く時は自然としっかり落ちてくれる。ストライクからボールを考えて投げています」。
気になるのは、フォークにスピード差がついていること。同日のソフトバンク戦、0-1の3回一死二塁でダウンズを1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた131キロは縦に落ちるスライダーか、フォークのどちらか確認すると、「あれはフォークですね」と教えてくれた。
では、フォークは球速差をつけているのだろうかーー。
「わざとじゃないですけど、狙い所の時はちょっとあったりしますね」。
フォークで空振りを奪えていることで、奪三振数も自然と増えている。昨年5月2日の取材で「(奪三振率は)満足いく数字ではないですし、もう少し増やしたい気持ちはある。今はスライダーとフォークを日々試行錯誤して練習しているので、その2つをより良くしていければ、三振の取りたい場面で取れるようになっていくと思うので、そうしていければ奪三振率は上がってくるかなと思います」と奪三振を課題にしている時期もあったが、現在は「縦スラとフォークに自信を持てているのが全てかなと思います」と奪三振率10.13をマークする。
「まだ自己最長は7回ですし、中継ぎの選手に助けてもらっている試合が多いので、より長いイニングを投げられるようにしていきたいと思います」。1イニングでも長く投げ、チームに勝利をもたらす。
取材・文=岩下雄太