「去年に比べると野球に考える時間が増えたというか、毎日試合がありますし、環境に慣れることが、最初の方はちょっと手こずりましたけど、だいぶ慣れてきて、自分のパフォーマンスがだんだん出せているかなと思います」。
ロッテのドラフト2位・宮崎竜成は、ここまでのプロ野球生活をこのように振り返った。
打撃を見ていると、初球からノーステップ気味で打ったり、足を上げたフォームで打ったり、7月5日のヤクルト二軍戦からはバットを寝かせたフォームでノーステップ気味に打ったりと、様々なフォームで打っている。投手によってタイミングを変えたり、工夫を凝らしているのだろうかーー。
「そうですね、去年までに比べるとストレートの質が上がったり、球速も上がっているので、それに対応できるように試行錯誤しながら、自分に合っているバッティングを探している段階です」。
4月17日の楽天二軍戦、3-0の7回二死走者なしの第4打席、左の林優樹が3ボール2ストライクから投じた6球目の外角142キロストレートを逆らわずに左中間を破った二塁打や、5月30日の巨人二軍戦、0-0の2回一死走者なしの第1打席、堀田賢慎が1ボール2ストライクから投じた132キロスライダーを右中間破る三塁打など左中間、右中間に飛ぶ打球が良い。
「引っ張り方向に飛んでいる打球というよりかは、センターから左、最悪右中間に飛んでるくらいの打球の方が自分の状態的には良いかなと思います」。
◆ ストレート打ちに課題
開幕二軍スタートも、5月11日にプロ初昇格を果たし、3試合に出場したが8打数0安打で5月15日に一軍登録抹消。
登録抹消後、ファームでは「一軍を経験して真っ直ぐが前に飛ばなかったので、速い真っ直ぐを弾き返せるように、どうすればいいのかというのを打撃コーチと相談しながらやっていました」と“ストレート”の対応にこだわってきた。
7月8日に一軍再昇格を果たし、同日の日本ハム戦では北山亘基の速いストレートを体感した。現在のストレートの対応について「上がってすぐ、トップクラスの北山投手と対戦したんですけど、空振りがあまりなくて、打ち損じはありましたけど、だんだん対応できているのかなと思います」と手応えを掴む。
9日の日本ハム戦で、1-11の7回無死走者なしの第3打席、山﨑福也が投じた初球のカットボールをセンター前に運びプロ初安打をマークすると、12日の西武戦でも、與座海人が1ストライクから投じた2球目のスライダーをセンター前に弾き返し2試合連続安打をマーク。
「チャンスは少ないかもしれないですけど、その少ないチャンスをモノにできる最大の準備をして、まずはバッティングでアピールできるようにと思います」。
取材・文=岩下雄太