「率も残せて長打を打てるバッターになりたいです」。
ロッテの育成1位・谷村剛(和歌山東高)は、将来自身が理想とする打者になるため、バットを振っている。
高校時代の3年間で力を入れたことについて「力強いスイングをずっと心がけていたんですけど、コンタクト力も上げてきました」と話していたが、プロ入りしてからが「軸足を意識した練習をしていて、そこで強いスイングができるように意識してやっています」とのことだ。
谷村は3月18日のオイシックス戦に『9番・サード』でプロ初出場し、1-1の6回二死走者なしの第3打席、日渡柊太が2ボール1ストライクから投じた4球目の136キロカットボールをライト前に弾き返しプロ初安打をマーク。
3月21日の西武二軍戦でも『9番・サード』で出場し、0-0の3回無死一塁の第1打席、篠原響が2ボール1ストライクから投じた外角のスライダーを逆らわずにレフトへ二塁打を放ち、2試合連続安打、プロ入り後初めて長打を記録した。
3月23日の西武二軍戦から4月16日の楽天二軍戦にかけて4試合連続で安打がなかったが、3月23日西武二軍戦以来となるスタメン出場となった4月20日のヤクルト二軍戦、1-3の5回一死走者なしの第2打席、下川隼佑が1ボール1ストライクから投じた3球目のインコース126キロストレートをライト前に弾き返す安打が、チームメイトの角中勝也を彷彿とさせるバッティングだった。
谷村本人も「しっかり捉えることができたので、自分の中でもいいスイングだったかなと思います」と振り返った。
この試合を最後にファーム公式戦での出場がしばらく遠かったが、「出場機会が少なかったんですけど、その中でしっかり実戦感覚を身につけてやっていっているという感じです」と自分自身と向き合った。
7月8日の日本ハム二軍戦、8-6の7回一死二塁の場面にアセベドの代打で登場すると、松岡洸希が1ストライクから投じた2球目の145キロストレートをライト前に強烈な当たりの安打が非常に良かった。
さらに、7月11日の楽天二軍戦では、1-3の8回無死二塁の場面に大下誠一郎の代打で登場し、「初球、まっすぐだったんですけど、まっすぐを張っていてそれを捉えることができたので良かったです」と、日當直喜が投じた初球の143キロストレートをライトポール際に嬉しいプロ初本塁打が同点2ラン。
ファームではここまで14試合に出場して、打率.185、1本塁打、3打点という成績だが、長打力があり将来が非常に楽しみな選手のひとりである。「試合に出ることはなかなかないんですけど、少ないチャンスの中で結果を残せるようにやっていきたいと思います」。とにかく今は、与えられた出場機会で、結果を残し、出番を増やしていきたい。
取材・文=岩下雄太