「復帰するまで時間はかかるのはわかっていたので、焦らずじっくり、しっかり計画通りいければいいかなと思ってやっていきました」。
ロッテの育成・森遼大朗が7月3日のヤクルト二軍戦で、復帰登板を果たした。
森は17年育成ドラフト2位で入団し、4年目の21年にイースタンリーグトップの10勝を挙げ、同年オフに支配下選手契約を結ぶ。22年7月30日のオリックス戦で一軍初登板を果たすと、23年4月19日の日本ハム戦でプロ初勝利を手にした。23年オフにオーストラリアウインターリーグに参加するも、右肘に違和感を感じ12月2日に帰国し、12月19日に右肘をクリーニング手術。翌24年5月29日に右肘内側側副靭帯再腱術を行い、同年オフに育成選手となった。
森は高卒3年目までは毎年故障で離脱することが多かったが、今回は右肘を2度手術し、ボールを投げられなかった期間が長かった。
「こんなに投げられない期間は初めてだったので、投げられないなりにというか、投げられないんだったら、それ以外のことはしっかりやろうという感じでやっていました」。
リハビリ期間中、「種市さん、澤田さんだったり、いろいろ話を聞かせてもらいましたし、アドバイスをもらいましたね」と、同手術を経験した先輩たちからもアドバイスをもらったことも大きかったという。
長いリハビリを経て、二軍戦のマウンド。「やっとこの段階まで来たなというのと、まだやれることは少ないですけど、今できることをしっかりやろうと思って臨みました」。
まっさらなマウンドに上がった森は、二軍公式戦復帰後初登板は2回・50球を投げ、2被安打、4奪三振、1与四球、無失点に抑えると、1週間後の7月13日の楽天二軍戦では3回・48球を投げ、5被安打、4奪三振、3失点で敗戦投手となったが、3イニングを投げた。
二軍公式戦は2度登板しているが、「怖さは意外とないかなと思います」と右肘の不安、怖さを感じることなく投げられている。
変化球では、6日のヤクルト二軍戦、0-0の初回先頭の西川遥輝を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたフォーク、13日の楽天二軍戦、4-3の7回先頭の陽柏翔に2ボール2ストライクから投じた5球目の135キロフォーク空振り三振が良かった。
フォークに関しては「今の所感覚もイメージも良いので、あのまんま継続できたらいいかなと思います」と好感触を掴む。
ストレートは「自分が思っている段階では出ているのかなと思うので、継続していきながら、少しずつ上がっていければいいかなと思います」とのことだ。
手術前武器のひとつにしていたシュートに関しては「まだ投げていないだけというか、練習していて、いずれは実戦で使えればと考えています」と明かす。
手術して感覚が良くなったボールについて訊くと、「今の所手探り状態というか、たまたまいい感じに来ているのがフォークなだけであって、まだ全然手探りではあります」と試行錯誤している。
復活への第一歩を踏み出した森。「しっかりイニング、球数を投げられるぞというところを見せていきながら、打者も抑えていきながら、結果が少しずつついてくれば、いいかなと思います」。
取材・文=岩下雄太