ニュース 2014.08.06. 16:52

小宮山悟氏、独占インタビュー! 今秋ドラフト目玉「有原航平」について語る

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ナイキ社交流イベント“JUST DU IT. -キミの一歩を踏み出そう-”出席後に独占インタビューに応じた小宮山悟氏
 8月4日にナイキ社が開催した交流イベント“JUST DU IT. -キミの一歩を踏み出そう-”に出席した小宮山悟氏が、イベント終了後に当サイト「ベースボールキング」の独占インタビューに応じてくれた。

 現役時代にはメジャーリーグのニューヨーク・メッツへの移籍も経験した彼の「人生最大の挑戦」とは――。また、自身も指導をしている大学ナンバーワン投手の呼び声高い早稲田大学の有原航平、ニューヨーク・ヤンキースで活躍する田中将大についても短い時間ながら見解を語ってくれた。


人生最大のチャレンジだった早稲田大学への進学



――イベントを終えて率直な感想を教えていただけますか?
小宮山 体を動かすというのが、どういうことなのかというのを、改めて理解できるイベントになったと思います。暑いのでクーラーが利いた部屋にこもりがちの学生も多いと思いますが、体を動かすことによって酸素を脳に供給するということは、科学的にも体に良いと証明されているので、過度な運動は問題ですが、適度な運動はどんどん促進して、健康維持のためにも必要なことだと思っているので、今日の若い学生が本当に気持ち良く動いてくれたので、こちらも気持ち良くなりましたね。

――トークセッションでは、普段はあまり運動しないという学生も多かったようですが。
小宮山 そうですね。運動をしないという学生が多かったので、ちょっと心配していたんですけど、みんな気持ち良く体を動かしてくれて良かったです。安心しました(笑)。

――イベントでは挑戦することであったり、新しい一歩を踏み出す大切さがテーマとなっていましたが、小宮山さんにとって一番の挑戦は何でしょうか?
小宮山 一番の挑戦で言うと、海外(メジャーリーグ)に行った時もそうかもしれませんが、本当の意味での一番の挑戦っていうのは「早稲田(大学)で野球をやろう」と思った瞬間ですね。自分の中での勝負というところで振り返った時には、やっぱりそこが一番大きいと思います。いろいろなモヤモヤがあった中で「よし頑張ろう」と決めた時ですね。最初は大学に進学することがありきで高校生活を送っていたので、そこで大学はどこに行こうかっていうところも含めて、早稲田の試合をテレビで見た時に「ここで頑張りたい」と思った。これが振り返ってみると、人生の中で一番大きな挑戦であり、決断になっていると思います。というのも、早稲田がなかったら「今」はないですから。もし仮に他の大学に進学していた場合、野球をやっていたとしても、同じようなルートを辿れたかっていうと、それは無理。早稲田に4年間いたおかげで今があると考えているので、そう思うと早稲田というところが大きいのかなと思います。


有原は能力的には大学ナンバーワン!あとは本人の心掛け次第



――なるほど。その早稲田大学で現在はコーチとして学生と接していますが、アマチュア選手や学生を指導する上で難しい点や苦労している点はありますか?
小宮山 これはね、野球が仕事になっていない人たちで、これから先に野球を辞めるという選択をする可能性もある子たちでもあるので、その子たちに対して、どのレベルのことを教えればいいのかっていうところを考えながら指導するというのは難しいところですね。やらなければならない人、例えばプロ選手には、やらせるようにしなければなりません。でも、そうじゃない子たちに無理強いしてもしょうがない。現状の中で、卒業後には野球を辞めるということも理解した上での指導の仕方というのがあると思うので、そこの線を引くのは難しい作業ですね。

――プロや社会人に進む子もいれば、野球から離れて就職する子もいるわけですもんね。
小宮山 そう。例えば、もうワンランク上を目指すのであれば、「最低限これくらいのことはできなきゃいけないんだ」ということを叩き込まなければいけません。でも、そうじゃない子たちのほうが多いのが大学野球です。そういう環境の中で先に進む子と、卒業後に野球を辞める子と、どういう風に同じ土俵で指導するかというのが難しいところです。プロになったら野球で食べていかなければならないので、「やらなきゃダメなんだよ」というのを徹底的に叩き込むことは可能だと思います。それができなければ、プロを辞めてもらわないといけなくなりますから。でも、学生たちはそうではないので、そこの難しさはありますね。

――小宮山氏が指導している投手の中に、今年のドラフトで注目されるであろう有原航平投手がいます。彼がプロで活躍するために必要なことを教えてください。
小宮山 有原は能力的に言ったら大学でナンバーワンです。ただ、そこであぐらをかいていたら終わってしまうので、さらに上を目指すという気持ちを持って頑張り続けられれば、もっと良くなると思います。そういう意味では、本人の心掛け次第ですね。

――持っている能力としては申し分ないのでしょうか?
小宮山 今のレベルで言えば、プロに行っても普通に投げられると思います。ただ、「プロに行って活躍しよう」という意欲がないと、どうしても先細りになります。本人がこれから先、どういう気持ちで野球に取り組むか。それこそダルビッシュ(有/テキサス・レンジャーズ)のじゃないけど、「世界一のピッチャーになるんだ」っていう心意気ですよね。そういう気持ちがあるかないかっていうのが、彼のこれから先の野球人生にとって一番大事なことだと思います。

――最後に、ニューヨーク・ヤンキースで活躍している田中将大投手について伺いたいのですが、彼の活躍はどう見ていますか? 現在は故障によって離脱していますが。
小宮山 もちろん、故障したことは非常に痛いですけど、彼の野球人生の中でそういう経験をすることは将来的には生きると思いますので、そういう意味では「貴重な経験ができるんだ」と前向きに捉えるべきだろうと思います。ただ、痛くないように投げるということを、もしこれから選択するのであれば、今まで我慢して投げてきたものとは形が少しずつ変わってくると思うので、その辺の微妙なところが、しっかりマッチするかどうかっていうところは心配なところです。多少、ズレみたいなものが出てくるので、その時の「こんなはずじゃない」というストレスを感じることが、どの程度のものかちょっと分からないので何とも言えませんが、今までとは違うものになるっていうのは覚悟しておいたほうが良いと思います。
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