殿堂入りを果たしたイチロー氏(写真=GettyImages)

 イチロー氏が殿堂入り記念式典に出席。ユーモアを交えた20分近い英語のスピーチで、会場に集まったファンを大いに沸かせた。

 この日、同時に殿堂入りを果たしたCCサバシアとビリー・ワグナーの両サウスポーとは、同じ時代を過ごしたイチロー氏。同じア・リーグで切磋琢磨したサバシアとは67回の対戦(65打数21安打、打率.323)があったが、ワグナーとは1回(1打数無安打)のみ。その2人を含めて合計1347投手と対戦する機会があった(レギュラーシーズンのみ)。

 イチロー氏がメジャーで最も対戦機会が多かった投手は、エンゼルスなどで通算188勝を挙げたジョン・ラッキー。断トツとなる130回の対戦で、122打数37安打(打率.303)という成績が残っている。

 ラッキーを含めてイチロー氏と50回以上の対戦があった投手は合計21人いた。その中で最も高い打率を誇ったのが、技巧派左腕のマーク・バーリーで、66打数27安打(打率.409)を記録した。

 この他にバリー・ジト(打率.325)、ジョン・レスター(打率.339)といったサウスポーから高打率をマークしているが、一方でイチローが最も苦手とした一人もC.J.ウィルソンという左腕だった。ちょうど50回の対戦で、46打数9安打(打率.196)という対戦成績が残っている。50回以上対戦があった投手の中で唯一、イチロー氏を打率1割台に封じ込んだのもウィルソンだけだ。

 ここで対戦回数の基準を5回から10回まで下げると、通算5割を超える打率を残した投手は15人を数えた。ホワイトソックスなどで守護神を務めたキース・フォークから12打数8安打(打率.667)、通算211勝を挙げたケビン・ブラウンから10打数6安打(打率.600)を記録したほか、西武の元助っ人左腕ウェイド・ルブランから10打数6安打(打率.600)らをカモにしていた。

 ちなみに2022年に現役を引退したルブランだが、メジャーでは大谷翔平と13回対戦。13打数無安打、9三振と完璧に抑え込んでいる。本人にはぜひ、イチローに対する苦労話と、打者・大谷を打ち取る秘訣を聞いてみたいところだ。

 現役時代のイチロー氏はコンタクトヒッターとしてまるでアーティストのごとく左右にヒットを打ち分けた。ただ、その気になれば狙ってスタンドに豪快な一発を放つこともあった。メジャー通算で93人の投手から合計117本塁打を放ったイチロー氏だが、最も多くの被弾を許したのが意外な右腕である。

 その投手は、オリオールズなどでメジャー通算56勝を挙げたジェーソン・ジョンソン。34回の対戦で、32打数10安打(打率.313)、10本の安打のうち、2本が三塁打、4本が本塁打と、長打が6本を占めた。

 逆に、1本の本塁打も打てなかった投手で最も対戦機会が多かったのが右腕のダン・ヘーレン。72回対戦し、70打数16安打(打率.229)、そのうち長打は二塁打3本と三塁打1本の合計4本のみだった。

 イチロー氏とメジャーで対峙したことがある1000人を超える投手たち。その中には、イチロー氏の殿堂入りを見て、思い出話に花を咲かせた元メジャーリーガーも多くいただろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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