ロッテの廣池康志郎は7月19日に再昇格すると、ここまで3試合・3イニングを投げ、イニングを上回る5奪三振、1被安打、0与四球、無失点と安定した投球を披露する。
再昇格後、初登板となった7月20日のオリックス戦は8-2の9回に登板し、先頭の西野真弘を「初登板の横浜スタジアムで投げた時、筒香さんに打たれたのがカーブだったので、同じ失敗はしないようにしないといけないなと思って、西野さんにカーブを投げました」と2ボール2ストライクから投じた8球目の112キロカーブで空振り三振に仕留めると、続く杉本裕太郎を右飛で2アウトとする。
頓宮裕真に、2ストライクから投じた4球目のファウルは「入団した時から155投げるのを目標にしていたので、スピードの面で達成できたのは良かったかなと思います」と、目標に掲げていた自己最速の155キロを計測。次なる目標に「58くらいは出してみたいと思います」と意気込んだ。
頓宮を三直で一軍では初となるZOZOマリンスタジアムでのマウンドで、「一軍のマリン初めてで緊張で、足に感覚がなかったですね」と振り返りながらも、しっかりと3人で試合を締めた。
「一軍の相手打者を三者凡退で抑えられたのは本当に、その中で変化球を試せたので自信になりました」。
続く7月26日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では0-5の5回に登板し、「自分でも思ったよりできすぎた内容で、まっすぐが結構走っていたので、真っ直ぐでも空振りを取れたのが良かったかなと思います」と、先頭の郡司裕也を153キロのストレートで3球三振、続く水野達稀を右飛、最後は万波中正を127キロのチェンジアップで空振り三振に仕留め、1イニングをわずか7球で片付けた。
7月29日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)は、1-2の9回に登板し、二死走者なしから村林一輝にセンター前に運ばれるも、ボイトを空振り三振に打ち取り無失点。
廣池はプロ初登板後、ファームで「変化球が得意ではないので、変化球でカウントを取ることを意識しては本当にやってきました」と変化球を磨いてきたが、一軍で実際に登板してみて「変化球もしっかり投げ切れているかなと思います」と、ファームで取り組んだ成果を一軍の舞台で発揮している。
前回一軍の登板から成長した部分についても「変化球です。腕を振って投げることで、相手バッターも反応が違ってきているかなと感じています」と手応えを掴む。
「一軍でずっと活躍されている選手もいるので、そこで結果を残せているのは、投げていても自信になるのかなと思います」。ここから一軍定着が目標になってくる。「今は中継ぎとして一軍にいるので、流れを自分が持って来れるような。リズムの良いピッチングをしていけたらなと思います」。この夏、チャンスを掴み取って見せる。
取材・文=岩下雄太