ロッテの小島和哉は前半戦、怪我による離脱もあったが、14試合・83回2/3を投げて、4勝6敗、防御率3.33の成績だった。
前回登板の7月20日のオリックス戦では「投げる前に色々プラン考えていましたが、チェンジアップとかもあんまり使わなかったんですけど、風用にしようと思って寺地と話をして変化球を多めにしました」と“風”を利用した投球で、6回・112球を投げ、4被安打、1奪三振、3与四球、2失点に抑え、勝利投手となった。
3-1の4回二死走者なしで杉本裕太郎を2ボール1ストライクから空振りを奪った4球目のインコース130キロスライダーが良かった。「去年の最後の方使っていましたけど、カットを結構使っていて、カットとスライダーでうまくチェンジアップで終盤になってフォークとうまくプラン通りというか、良い攻め方ができたかなと思います」と自己評価しながらも、「球数が嵩んでいるので、1人の打者に対して投げすぎなところがあるので、その辺は減らさないとなと思います」と反省した。
今年は前回の杉本の時もそうだが、右打者のインコースに投げるスライダーが良い。本人はどう思っているのだろうかーー。
「ストライク率というか、スライダーでカウントが取れていないので、それでちょっとカットを使い出したんですけど、うまくストライクが取れるようになってきたら、もっと幅も広がるのかなと思います」。
ただ、どの球種でもストライクが取れる。このボールだがダメだったら、投球プランを試合中に変えたりするのだろうかーー。
「20日のオリックス戦で使ったカットボールとか、最後太田に投げたカットとかは勝負球で使ったので、今の所のメンタルだったらどの球種も勝負所で自信を持って選んで投げられている。あとは配球のミスというか、そういうのだけはしないように」。
プロ入りしてからの数年はチェンジアップ、カットボール中心だったが、年々球種が増え、今季はフォークの割合が増えた。この1、2年でスライダー、フォークの位置付けは上がったようにも見える。
「プロ入った頃はまっすぐとカット、チェンジアップとかだったので、それがいろんな選手に聞いたりして球種が増えたのもあるので、あとは使い方だなと思います」。
開幕直後取材した時には「あまり話にならない」と自分自身の投球に対しバッサリと切り捨てるようなこともあったが、防御率だけ見れば、昨年(24年7月31日時点:4.02)の同時期よりも良い。
「イニングを去年より投げられていないと思うので、そういうところとかはちょっとというか、かなり満足していない」と厳しい言葉。
「もちろん、去年やった数字よりも良いものを残そうと思って毎年オフシーズン取り組んでいるので、そこは去年よりも高いハードルは課しています」と明かし、「全くできない数字を目標に掲げるのは得意ではない。全くできないわけじゃないよね、頑張り次第だよねと重きを置いています」と続けた。
「順位的にも悪いですけど、自分のやることは変わらないですし、20日のオリックス戦もお客さんがたくさんきてくれている。ファンのためにもそうですけど、自分のためにも一ミリも腐ったところはないので、本当に勝ちに貪欲に頑張りたいと思います」。前半戦はチームにとっても小島にとっても苦しい戦いになった。小島が得意の夏場以降の戦いで復調し、前半戦の不振を忘れさせるような投球に期待したい。
取材・文=岩下雄太