「自分としても投げられる試合数はそんなに多いわけではないので、1試合1試合が大事になるのはわかっている。1試合1試合勉強しながら、自分のモノにできればいいかなと思います」。
ロッテ・木村優人は後半戦も、先発で結果を残すつもりだ。
高卒2年目の今季、開幕一軍を掴むとここまで17試合・35回1/3を投げ、2勝0敗5ホールド1セーブ、防御率2.80。6月17日の阪神戦から先発を務め、2度目の先発登板となった7月2日の楽天戦で6回2/3・98球を投げ、6被安打、3失点で先発初勝利を手にした。
プロ3度目の先発となった前回登板の7月17日のソフトバンク戦(北九州)、3回裏終了から1時間05分の中断があったが、2-1の4回先頭の山川穂高をスプリットで空振り三振、山本恵大を左邪飛、川瀬晃を二ゴロと、1時間を超える中断明け最初のイニングを三者凡退に抑えたのは高卒2年目とは思えないほどの落ち着きぶりだった。
「あそこの入りが大事なのはわかっていたので、しっかりもう1回スイッチを入れ直して三者凡退に抑えられたのはあのゲームで大きかったですし、5回は崩れはしましたけど、前の回が良かったので、崩れなかったというのは良かったかなと思います」。
木村が話したように2-1の5回に失点し同点に追いつかれ、試合は5回降雨コールドとなった。降雨コールドではあるが、“完投”という記録が残った。「残念なところが多くて、やれることはあの5回の中でやれたので、登板からしたら十分というか、あの試合の中では良かったのではないかなと思います」と振り返った。
1時間の中断を経験したことについても「あれだけ時間が空いて投げることもなかなかないので、あの時間があったからこそ、データを見返せましたし、考えもリセットできました。あの時間があって良かったというか、有効に使えたのかなと思います」と前向きに捉えた。
投球面で言えば、同日のソフトバンク戦は2-1の3回先頭の牧原大成を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の141キロスプリットを始め、スプリットが非常に良かった。
「初回からスプリットもいい感じで落ちて腕も振れていたので、あのゲームはカーブもスプリットも良かった。変化球も全体的にストライクが取れたので、まっすぐも球速は出ていなかったですけど、それが活きたのかなと思います」と自己分析。
後半戦、最初のマウンドは敵地・ベルーナドームでの西武戦。登板間隔が空いての先発となるが、「試合感覚から離れてしまうので、ブルペンの時間を大事にしています。ピッチングの時間は球数だったりをこだわって、その時間を大切にして、体のケアもそうですけど、時間があるのでデータも見られますし、やれることをしっかりやっていきたいと思います」と“ブルペン”での投球日を重要視している。
2年目の今季に向けてプロ初勝利を目標に掲げ、早々に目標を達成したが、後半戦に向けて何か目標を立てているのだろうかーー。
「具体的な数字はないですけど、投げたら絶対に勝利投手になれるように。試合数も多くないからこそ自分のやるべきことをやって、投げたら勝てるようにやっていきたいと思います」。
チームに勝利を呼び込むような投球で、先発としての2勝目を手にしたい。
取材・文=岩下雄太