ロッテ・早坂響[撮影=岩下雄太]

 「ファームでやってきた通りというか、力まずにできているかなと思います」。

 ロッテ・早坂響は7月11日に再昇格してからの自身の投球に一定の手応えを掴んでいる。

 再昇格後初登板となった7月12日の西武戦では、「高校時代も投げたマウンドだったので、そこに戻ってくることが目標のひとつではありました。それを達成できたので、ひとつ自分の中の目標を達成できたので良かったと思います」と、一軍の公式戦では初めてZOZOマリンスタジアムのマウンドに上がった。

 学生時代はマリーンズファンでスタンドから選手を応援する立場だったが、応援される側に変わった。「名前を呼ばれた時とかにスタンドから声援を送ってくれたので、すごく嬉しかったですね」と振り返る。

 0-5の9回先頭の渡部聖弥を二飛、長谷川信哉を左飛、古賀悠斗を右飛で、1イニングをわずか10球の三者凡退に抑えた。

 続く7月15日のソフトバンク戦は、1イニング目となった2-6の6回は無失点に抑えたが、2イニング目となった7回に4点を喫した。それでも、2-6の6回一死走者なしで周東佑京の初球に投じた149キロインコースストレート、2-6の6回一死一塁で柳町達から空振りを奪った初球の外角140キロフォークは良かった。

 早坂は7月15日のソフトバンク戦の投球について「真っ直ぐの強さはちゃんと出せているかなと思うんですけど、フォークはホークス戦の時に最後決めきれずに真っ直ぐを狙われたりとか、結局カウントを悪くしてしまって四球を出したりとかもあった。そういうところは練習していかないといけないなと改めて思いました」と反省した。

 7月12日の西武戦(1回・10球 無失点)、7月26日の日本ハム戦(1回・8球 無失点)、8月1日の西武戦(1回・10球 無失点)と、ストライク先行で少ない球数で抑えられている登板もある。

 「ちゃんとゾーン内で勝負できているところもあると思うので、それが少ない球数で抑えられている要因じゃないかなと思います」。

 ストライク先行の投球を心がける中で、ファームでは21回2/3を投げ15奪三振だったが、一軍では9イニングを投げて3奪三振。三振を取りたい思いがあるか訊くと、「もちろん三振を取りたいなと思いながら投げてはいますね」と率直な思いを口にした。

 「とにかく無失点を積み重ねて結果を出して、今よりもっといい場面でも投げられるような信頼されるような投手になりたいです」。与られた登板機会で結果にこだわって投げていく。

取材・文=岩下雄太

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