ロッテの上田希由翔が2日の西武戦(ベルーナドーム)、嬉しいプロ初本塁打を放った。
上田は7月17日のソフトバンク戦(北九州)で、2-2の6回無死一塁の第3打席、「がむしゃらにいきました。同点に追いつかれて、流れも良くなかったので何とかしたいと思い、いい形で打つことができて良かった」とライトポール際に本塁打を放ったが、6回を終了せずに降雨コールドとなったため、得点が認められず、“幻”のプロ初本塁打となった。
あれから16日――。8月2日の西武戦、0-2の4回一死一塁の第2打席、1-2の4回一死一塁の第2打席、「高めは気を付けて、低めを打とうと思っていたのがいい形になりました。打った瞬間は入ると思わなかったですが、歓声で入ったのがわかりました。いい形で打つことができて良かったです」と、與座海人が1ボール1ストライクから投じた3球目の131キロストレートをライトスタンドに第1号2ラン。嬉しいプロ初本塁打となった。
◆ 8月2日にプロ初本塁打
上田はプロ2年目の今季、開幕一軍を掴み、3月28日のソフトバンクとの開幕戦に『8番・サード』でスタメン出場し、第2打席に今季初安打となる二塁打を放ったが、4月11日のソフトバンク戦の第2打席に安打を放ったのを最後に16打席安打がなく、4月24日に一軍登録を抹消された。
一軍登録抹消後の4月27日のDeNA二軍戦ではノーステップ打法気味の打撃フォーム、5月9日のDeNA二軍戦ではバットを寝かす打撃フォーム、6月14日の楽天二軍戦ではバットを寝かせているがバットを担ぐような感じのフォームで、タイミングの取り方を変えるなど、さまざまなフォームで打っていた。
さまざまなフォームで打っていた理由について、上田は「手で操作するのをサブローさんから指摘してもらって、直す1つの方法としてバットを寝かせたりやっていました」と説明する。
バットもファームでは、白木のバット、黒茶のバットなど様々な種類を使っていたが、「その時の振りやすい方だったり、ピッチャーによって変えていますね」と教えてくれた。
上田がファームでプレーしている時期、同世代の選手たちが一軍の舞台で躍動していたが、「なんとも思っていなかったですね。気にしていないというか、気にしても何もならないので、自分に矢印を向けていましたね」と、自分自身が一軍でプレーするための準備だけを行ってきた。
昇格前の7月11日の楽天二軍戦、0-1の2回無死走者なしの第1打席、徳山一翔が1ボールから投じた2球目のスライダーを右中間を破る二塁打、7月12日の楽天二軍戦、0-4の8回無死走者なしの第4打席、日當直喜が投じた初球の145キロストレートを右中間に破る二塁打が良かった。
7月15日に再昇格を果たすと、同日のソフトバンク戦の第1打席で二塁打を放ち、19日のオリックス戦ではプロ初の猛打賞を達成。
7月20日の取材では「結果が出てくれているので、悪くはないと思いますし、常に修正しながらやっているので、そこは打っているからといって、何もやらずにじゃなくて、常に元のフォームに戻す修正だったり、スイング量も減らないように意識してやっています」と話している。
「バッティングで貢献したいと思っているので、チャンスの1本だったり、今は任されている自分の役目を理解しながら、1打席1打席集中してやっていければいいかなと思います」。苦しいチーム状況だが、若手選手たちはこのチャンスをモノにしようと必死に戦っている。
取材・文=岩下雄太