横浜の絶対的エースがまさかの背信投球が響き、DeNAが広島との打撃戦に敗れた。打線に元気のない時期に左腕を振り続け、リーグ最速で10勝をマークと堂々の成績を残していた東克樹。しかし前回のヤクルト戦の6回4失点に続き、この日も5回6失点と精彩を欠いた。
初回簡単に2死を取り、無難に立ち上がるかと思ったのも束の間、広島のクリーンアップの小園海斗、末包昇大、坂倉将吾に3連打を浴びていきなり2点を献上。同点で迎えた4回には、ランナーひとりを背負った状況でエレフリス・モンテロにバックスクリーン左に叩き込まれ2点を勝ち越される。さらに5回には小園の二塁打から末包に特大弾を浴びて計6失点。この回は投げ切ったものの今季最短タイの5回での降板に「2試合連続で試合が作れず、申し訳ない気持ちでいっぱいです」とうなだれた。
三浦監督は「立ち上がり2アウトまではボールも走っているのかなと思っていたのですが、相性も悪いところでしっかりと捉えられてしまったかなと。ホームランはちょっと中に入ってしまったところを見逃してもらえなかったですね」と総括。
前回は「ずっといままで抑えてきた投手ですから。ときにはこういうこともある」と庇っていた指揮官。今回で2回連続のイマイチな内容にも「ここのところ少しホームランを打たれているだけであって、それまではしっかりと抑えてきた投手ですから。そんなに心配はしていないです」と問題なしと強調。少し甘めに見えたコントロール面にも「もともと制球のいい投手ですから、次回登板に向けて修正していけば。経験のある投手ですからね」と変わらぬ信頼を口にした。
2023年から先発の軸として大車輪の活躍を見せ続けてくれた背番号11。監督も太鼓判を押すほどの類稀なる修正能力を持つスマートな左腕だけに、次回こそ本来の姿を取り戻してくれるに違いない。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘