「だいぶ慣れてきました」。
ロッテの宮崎竜成は7月8日に再昇格を果たしてから、1ヶ月以上が経過した現在をこのように語った。
5月に一軍昇格した時は“プロ初安打”を放つことができなかったが、7月8日に再昇格してからは、7月9日の日本ハム戦、1-11の7回無死走者なしの第3打席、山﨑福也が投じた初球の132キロカットボールをセンター前にプロ初安打を放つと、7月19日のオリックス戦、7-0の7回二死走者なしの第4打席、東松快征が投じた初球の150キロストレートをセンター前に弾き返しプロ初打点を記録。8月5日のソフトバンク戦ではプロ初盗塁をマークした。
ファームで“速いまっすぐを弾きかえせるように”技術向上を図ってきた中で、一軍で取り組んできたことを出せているのだろうかーー。
「最初上がった時に比べれば、だいぶ対応できているかなと思うんですけど、まだまだ甘いカウントの時にファウル、空振りしてしまっているので、そこは1球で弾き返せるようにしっかり準備していきたいと思います」。
1月の自主トレでは“広角に長打を打てるタイプ”と自己分析していたが、一軍では75打席立って、長打は二塁打が2本。「自分のスイングをした中で強い打球が飛んでいれば、いいなという感じなので、その結果、二塁打、長打が出れば嬉しいなと思います」。
打つだけでなく、選球眼という部分では、7月27日の日本ハム戦、4-4の11回二死一、二塁の第1打席、山本拓実に対して2球で追い込まれるもそこからボールを見極め、3ボール2ストライクから6球目の144キロカットボールを見送り四球を選んだ打席は、続く藤原恭大の押し出し四球に繋げ勝利に貢献しており、非常に内容があった。
「初球からスイングを仕掛けられていたので、勝負した結果、四球になったので自分から仕掛けて良かったかなと思います」と振り返った。
◆ 守備
守っても、8月3日の西武戦、2-1の9回一死二塁でデービスが放ったセカンドベース付近の打球をダイビングキャッチし一塁へ送球しアウトにし、同点のピンチを防ぐ好守備を披露した。
「守備はだいぶ落ち着いてやれていると思いますし、状況でいろんな判断する場面があるんですけど、そこはいろんな経験をさせてもらっているかなと思います」。
再昇格後は、試合前練習で、本職のセカンド以外に、ショート、サードでノックを受ける場面もあるが、ほぼセカンドで出場していることも大きいのだろうかーー。
「セカンド以外守ったことがなくプロに入って来たので、セカンドは守り慣れていますし、そこはセカンドを守っていて不安要素はないかなと思います」。
チーム状況は非常に厳しいが、一軍で居場所を掴む必要のある若手選手に消化試合などない。「まずは自分のアピールできることをしっかりアピールして、打撃でまだアピールできていないと思うので、打撃をアピールしつつ、チームの勝利に貢献できるようにやっていきたいと思います」。貪欲にバットで存在感を示していくつもりだ。
取材・文=岩下雄太