ロッテ・横山陸人は5月22日のオリックス戦で先発投手として白星を手にするなど、一時先発を経験したが、6月13日のヤクルト戦以降はリリーフに戻り、イニング跨ぎ、同点や勝ち試合の8回で投げる。
リリーフに復帰して2ヶ月以上経過した。リリーフ復帰直後は「しっかり自分のコントロールできる範囲で自分の球が投げられているところがあったので、そういうところは(先発を)やって良かったのかなと思います」と話していた。2ヶ月経った今も“自分のコントロールできる範囲で自分の球”が投げられているのだろうかーー。
「それも継続して、力んだら良いことがないなと改めて実感した試合もありましたし、それは今も継続してやっています」。
先発での経験が活きている場面はあるのだろうかーー。
「2イニング行けたり、今までは2イニング行くのはしんどいなという考えだったんですけど、意外に全然投げようと思えば投げられるんだと自分も気づけたので、そういうところは活きてきたのかなと思います」。
横山の持ち味のひとつであるストレートについては「ちょっと納得できないところも多少はあるんですけど、納得がいかなかったとしても、その中でできる範囲でやっている。やれることをやっている感じなので、ここでは自分の投球スタイルがしっかり確立できているのかなと思います」と話した。
速いスライダー、シンカーに関しては、「速いスライダーは左バッターに本当は投げたいんですけど、なかなか使える場面、シチュエーションが回ってこないので、今は投げられていないですが、シンカーはいい変化をしてきていると思うので、そこはもう少し継続して突き詰めていきたいと思います」とのことだ。
横山は17日のソフトバンク戦、0-0の8回に登板し1回を無失点に抑え、今季17個目のホールドをあげた。これで昨季記録したシーズン自己最多の18ホールドまで、あと1つに迫った。
「18ホールド、まだまだだと思うので、今年の試合数的には難しいかもしれないですけど、30ホールド、40ホールドというところを目指してやれるような投手になっていければいいかなと思います」。
“30ホールド”、“40ホールド”を目指している中で、勝ち試合の9回を投げたい想いはないのだろうかーー。
「そういう気持ちもありながら、常にブルペンで待機しています」。
今季は若返りが進み、開幕直後には中森俊介、木村優人、現在も廣池康志郎と年下のリリーフが増えてきた。「特に後輩に聞かれることはないんですけど、下の子が入ってくるということは自分の立場もだんだん危うくなってくると思うので、そういうところではいい緊張感というか、危機感を持ってやれているので、それはすごくいいことなのかなと思います」。
チーム状況はかなり苦しく、その中でも勝ち試合を任せられる人材が非常に少ない。イニング跨ぎをする登板もあり、横山にかかる負担や責任は大きい。「とにかくゼロで抑えるところは常に言っているところなんですけど、そういう結果がチームの勝利に結びつくと思います」と前を向く。任されたポジションでチームを勝利に導くため、必死に腕を振る覚悟だ。
取材・文=岩下雄太