ロッテの山口航輝は19日の楽天戦、バックスクリーン右に第3号2ランを放った。
『7番・指名打者』で先発出場した山口は、0-2の2回無死二塁の第1打席、岸孝之が1ボール2ストライクから投じた4球目の143キロのストレートを振り抜くと、打球はバックスクリーン右に飛び込む同点2ランとなった。8月18日に誕生日を迎えた山口は、25歳となって初の一発。「25歳、1本目を打つことができて良かったです」と喜んだ。
これで山口は8月5日に再昇格を果たしてから、3本のアーチ。ちなみに8月の月間3本塁打はチームトップで、パ・リーグの球団を見渡してもソフトバンク・近藤健介の4本塁打に次ぐ月間2位の本塁打数となっている。
◆ 長打で存在感
山口は5月22日のオリックス戦から3試合連続安打を放っていたが、6月4日に一軍登録抹消。ファームではタイミングの取り方を変えたり、白黒バットで打ったり、7月11日の楽天二軍戦では、0-1の7回二死走者なしの第4打席、中込陽翔が3ボール2ストライクから投じた6球目の126キロスライダー、レフトスタンドに打った瞬間の本塁打は白木のトルピードバットだった。
ファームでは「常に一軍にいると思って、チャンスで回ってくることが多かったので、そこを意識してやっていました」と、7月29日のオイシックス戦から3試合連続本塁打、その間9打点を挙げた。7月30日のオイシックス戦、0-0の初回一死一、二塁の第1打席、安城健汰が3ボール1ストライクからの5球目のストレートをレフトスタンド上段に打った瞬間にそれとわかる3ランは非常に良かった。山口本人も「安城投手から打ったのは良かったです」と納得の一発。
山口は降格後、ファームでの打率こそ.240(100-24)だったが、6本塁打、31打点の成績を残し8月5日に一軍再昇格を果たした。同日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)、『7番・レフト』でスタメン出場。「今日1日に懸けてきたので、1打席目からチャンスで打つことができて良かった」と、0-0の2回無死一、三塁の第1打席、先発・前田悠伍が1ボールから投じた2球目のチェンジアップを打った瞬間にそれとわかる、レフトスタンドへ豪快な第1号3ラン。
5-1の6回無死三塁の第3打席、「打った瞬間どこに飛んだかわからなかったですが、良い所に飛んでくれて良かったです」と、津森宥紀が2ボール2ストライクから投じた5球目の150キロストレートを詰まりながらもライト前に適時打。さらに6-3の8回無死一塁の第4打席、左の宮﨑颯が2ボール2ストライクから投じた5球目の148キロストレートをレフト前に弾き返し、猛打賞を達成した。
翌6日のソフトバンク戦も『7番・レフト』でスタメン出場し、0-9の6回二死一塁の第3打席、「甘く来た球をしっかり仕留めることができて良かった」と、大津亮介が2ボール2ストライクから投じたシンカーを左中間スタンド中段に突き刺す2試合連続本塁打。
山口はZOZOマリンスタジアムで2試合連続本塁打を放ち、「いい感じに来ていると思いますね」と好感触。7月に入ってからファーム、一軍を合わせると、7本塁打放つ。長打を打つコツなど掴んだりしたのだろうかーー。
「普通にやっているだけですね。あんまり自ら狙わずに。打つだけです」。
打撃練習ではセンターから逆方向を意識して打つことが多かったが、現在は「特にそこまで意識していないです」とのこと。現在チームトップの11本塁打を放つ山本大斗ともに、数少ない“右の長距離砲”として期待がかかる。「ずっと打たないと出られないので、頑張ります」。とにかく、バットでアピールしていく。
取材・文=岩下雄太