◆ 好相性のドーム球場
ロッテの藤原恭大は26日のオリックス戦、3安打を放ち、今季29度目の複数安打を達成した。
『1番・センター』でスタメン出場した藤原は、0-0の初回無死走者なしの第1打席、片山楽生が1ボール2ストライクから投じた4球目のストレートを弾き返し、右中間を破る三塁打を放つ。続く0-0の3回無死走者なしの第2打席、椋木蓮の1ストライクからの2球目をセカンドへの内野安打で出塁し、山口航輝のセンター前安打で先制のホームを踏んだ。
さらに3-0の4回二死走者なしの第3打席、椋木が1ボール2ストライクから投じた7球目のスライダーをレフト前に放ち、この日3本目の安打を放った。
藤原は8月の月間打率.274(84打数23安打)だが、ドーム球場に限ると、打率.405(37打数15安打)と跳ね上がる。8月はここまでドーム球場で9試合戦っているが、そのうち8試合で安打を放ち、16日のソフトバンク(みずほPayPayドーム)で3安打、17日のソフトバンク戦(みずほPayPayドーム)で2安打、そして、26日のオリックス戦(京セラD大阪)で3安打とドーム球場では3試合連続複数安打を放っている。一方で本拠地・ZOZOマリンスタジアムでは、8月11試合に出場して打率.170(47打数8安打)と苦しむ。
涼しいビジターのドーム球場だと打ちやすかったりするのだろうかーー。
「もちろんドームというのは一番打ちやすいですし、成績も出ると思います。マリンは風も強いですし、1試合1試合違うので成績を残すのは難しいですけど、なんとか粘ってヒットを毎日1本打てるようにというところを意識しています」。
本拠地・ZOZOマリンスタジアムは夏の暑さに加えて、投手の変化球の曲がりも風によって打席ごとに変化し対応の難しさもある。そこに対応するために、必死にバットを振っている。
ただ、今季は開幕からコンスタントに安打を積み重ね、好不調の波が非常に少なく、8月20日の楽天戦、0-1の初回無死走者なしの第1打席、古謝樹が3ボール2ストライクから投じた146キロの外角ストレートをレフト前に弾き返す安打で、自身初となるシーズン100安打を達成した。藤原は「意識していたので、正直嬉しいです」と喜び、「ここからまた1つ1つ積み重ねて頑張りたいと思います」と先を見据えた。
◆ 進塁打
ここ最近の藤原は“アウト”のなり方が非常に良い。8月13日の日本ハム戦、1-1の5回無死二塁の第3打席、山﨑福也が3ボール1ストライクから投じた5球目の118キロチェンジアップを一ゴロで二塁走者・友杉篤輝を三塁へ進める進塁打。西川史礁の犠飛に繋げた。
8月20日の楽天戦でも、2-2の7回無死二塁での第4打席、「最低進塁打しようと思ったんですけど、思ったよりも真っ直ぐが速くて、変化もしていた。ヒットを打ちたかったですけど、ピッチャーの方が上回っていたので、結果的に進塁打になって良かったと思います」と、西垣雅矢が1ボール2ストライクから投じた7球目の外角139キロ空振りを奪いにきたフォークをバットに当てて二塁走者・友杉を三塁に進める遊ゴロ。その後、山口が決勝3ランを放った。
アウトのなり方について藤原は「意識はもちろんしていますし、率以上にも貢献できることはいっぱいあると思います。そういうところプラス、(西川)史礁が復帰後ずっと打っているので、なるべく史礁にランナーをたまった場面で渡せるようにしたいと思います」と話した。
今季藤原が目標に掲げた規定打席到達も、12打席と目前に迫っている。怪我なく残りの試合を戦い抜き、キャリアハイの成績を残したい。
取材・文=岩下雄太