「1ヶ月くらい帯同させてもらってだいぶ慣れてきました」。
ロッテのドラフト5位・廣池康志郎(東海大九州キャンパス)は、7月19日に2度目の昇格を果たしてからの1ヶ月でプロの雰囲気に馴染めてきた。
プロ初登板・初先発した6月21日のDeNA戦では初回こそ三者凡退に抑えたが、2回に三者連続本塁打を浴びるなど、2回3失点で降板。翌日に一軍登録抹消となった。抹消後は、変化球を磨き、二軍戦でも7月2日の楽天二軍戦で意図的にスライダー主体の投球で6回を2失点にまとめたり、課題を持ってファームのマウンドに上がっていた。
再昇格してからは、7月20日のオリックス戦、8-2の9回先頭の西野真弘を2ボール2ストライクから112キロのカーブで空振り三振に仕留めたり、8月11日のオリックス戦でも2-3の7回一死走者なしで杉本裕太郎を1ボール2ストライクからスプリットで空振り三振に打ち取ったりと、変化球で空振り、三振が取れている。
特に8月15日のソフトバンク戦、「近藤選手を三振取れたんですけど、いいバッターを打ち取れると少しは自信になりました」と、1-1の7回一死満塁で近藤健介を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた6球目のスプリットが良い落ちだった。
ファームでやってきたことを「出せている日もあれば、ちょっとダメな日もあります。波が…」とポツリ。現在の課題については「ここぞという大事な場面、1球で試合が決まるボールとか投げてしまうこともあるので、1球を大事にしていこうと改めて感じます」と話すように、8月15日のソフトバンク戦では近藤を空振り三振に打ち取った後、続く山川穂高に満塁本塁打を浴び、8月19日の楽天戦では3-3の10回に失点し、2試合連続で敗戦投手と苦い経験も。
「今1ヶ月くらい一軍に帯同していて疲れとかも出てきたのかなと感じていて、プロの一軍の厳しさを実感できました」と振り返る。
それでも、8月23日の西武戦では、0-2の9回にマウンドに上がると、0-2の9回一死二塁で村田怜音を2ストライクから投じた3球目の見逃し三振に仕留めたインコースのストレート、0-2の9回二死二塁でデービスを2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた7球目のインコースのストレートは素晴らしかった。本人も「完璧に最高のボールを投げられました」と納得の表情。「自分の代名詞みたいなあそこに投げられないと打ち取れないかなと思っています」と右のインコースに投げ切れるのも強み。
同日の西武戦では、「上がってきてからいい時もあったんですけど、なかなか腕の振りが緩くなることもあったので、(23日の西武戦の)登板前とかはちゃんと投手コーチと話をしてとにかく腕を振らないと右バッターも反応してくれないから、とにかく腕振って投げろと言われました。昨日(23日の西武戦)はだいぶ意識して投げたらインコースにいい反応が出ていました」と明かした。
8月27日のオリックス戦は6-1の9回に登板し、頓宮裕真を一邪飛、紅林弘太郎を右飛、代打・山中稜真を遊飛と、危なげなく3人で片付けた。
プロ入り前は先発で勝負したいと話していたが、現在はリリーフで一軍の舞台で戦っている。「なかなか一軍のレベルで先発は厳しいので、今は中継ぎでしっかり1イニングを無失点に抑えられればいいかなと思っています。少しでも先発の時に経験が活きるようにと思って投げています」。今は一軍のマウンドで経験を積んでいく。
取材・文=岩下雄太