ブルペンで投球練習するロッテ・種市篤暉[撮影=岩下雄太]

 ロッテの種市篤暉はオールスター明け、5試合・36回1/3・609球を投げ、2勝1敗、46奪三振、11与四球、防御率1.98、全ての登板でクオリティスタート(6回3自責点以内)を達成し、“種市はいいぞ”という働きぶりだ。

 注目は“奪三振”。今年はオールスター前までの奪三振数は67個、24年が106奪三振、23年が107奪三振とオールスター前までで100奪三振をマークしていたが、あまり三振が取れていなかった。

 ただ、オールスター前の7月12日の西武戦で9奪三振をマークすると、7月19日のオリックス戦で7奪三振と7月に入ってから奪三振数がアップ。7月21日の取材で「速いフォークが投げ方を思い出せたのが良かったですね」と話したように、7月12日、19日の登板で16個の三振を奪ったが、そのうち9個がフォークで奪ったものだった。

 オールスター明け最初の登板となった7月29日の楽天戦は5奪三振だったが、8月5日のソフトバンク戦で12奪三振、13日の日本ハム戦で11奪三振、20日の楽天戦と27日のオリックス戦で9奪三振と、8月は月間リーグトップの41奪三振を記録した。

 8月5日のソフトバンク戦、6-1の7回二死一、二塁で周東佑京に対し1ボール2ストライクから、それまでタイミングの合っていなかったフォークで三振を仕留めてくるかと見せかけて6球目の148キロストレートで見逃し三振、8月20日の楽天戦、0-1の3回一死走者なしで村林一輝を2ボール2ストライクからインコースストレートで見逃し三振などは、フォークを意識させた中でストレートで三振に仕留めた。

 奪三振が増えている要因として、フォークを待っている打者にストレートで見逃し三振、空振り三振を奪えていることが奪三振数アップに繋がっているのではないかと質問すると、種市も「僕もそう思います」と即答。

 ストレートはオールスター前、「ストレートが一番イマイチですね」と話していたが、オールスター明けのストレートについて種市は「良いと思います。まっすぐが良くなっているので、まっすぐの比率を増やしている感じです」と自己分析。

 最大の武器であるフォークについても「フォークが一番安定してきたのが一番かなと思います」と話し、スライダーについては「試しながら投げている感じです」とのことだった。

 6月5日の巨人戦から再び投げるようになったカーブは、1試合に2、3球の割合だったが、オールスター明けはカウント球で投げることが増え、8月20日の楽天戦、0-0の初回一死一塁でボイトに2ストライクから初めて決め球で投げた。そのカーブは「感覚は良いんですけど、映像とデータを見ても空振りを取れるようなボールじゃないので、本当にカウントが煮詰まってきた段階で、手詰まりな状況で投げようと思います」と明かした。

「体の疲労度は最初よりも疲れていない」

 種市は6月5日の巨人戦から現在12試合連続で100球以上、7月12日の西武戦から7試合連続で6イニング以上、オールスター明けの7月29日の楽天戦から5試合連続でQSを達成している。

 種市といえば、これまでの取材でどんどん投げていきたい思いを何度も口にしていたが、現在のイニングと球数について、「全然大丈夫です」とキッパリ。「球数を投げることに関しては、もちろん疲れるんですけど、慣れることが一番かなと思います。100球でずっと終わっていたら、100球の体力になりますし、120球投げていたらどんどん慣れてくると思う。5試合くらい120球近く投げていますけど、体の疲労度は最初よりも疲れていないです」と頼もしい言葉。

 トミー・ジョン手術から本格一軍復帰した2023年に「後半、ウエイトとかキツくなっていたので、もうちょっとシーズンオフに貯金を作っていたら良かったなと思います。オフシーズンに貯金を作ってシーズン前半キープしながら、後半ちょっと落としていければ」と話していたが、今季に関しては「ガンガンウエイトしています。疲れていないので、はい」と一軍に本格復帰して3年、投げる体力、1年間戦う体力もついてきた。

 オールスター明け、120球前後投げていることを考えると、そろそろ完投・完封というのも見たいところ。チームが苦しい状況ではあるが、種市の安定感は来季に向けて明るい材料。残り試合の登板でも、「勝てるようなピッチングができるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。今夜も“種市はいいぞ”というピッチングに期待したい。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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