◆ イニングを投げ切る
「もうちょい長いイニングを投げたかったですけど、自分の中でも6回が山場でしたし、あそこを抑えられたことで、少しは自分の中でプラスになれました。抑えたのは大きかったかなと思います」。
ロッテの木村優人は8月19日の楽天戦、3-2の6回無死一、二塁のピンチを無失点で凌ぎ、6回を投げ切った。
木村は先発した8月2日の西武戦、3-2の7回、先頭のデービスに四球、続く源田壮亮に送られるも、古賀悠斗を三ゴロで2アウトとしたが、滝澤夏央のファーストゴロを上田希由翔が後逸し失点。滝澤に盗塁を許し、西川愛也に適時打を浴びたところで降板となった。7回を投げきれず、「7回はエラーもあったんですけどそれよりも先頭打者にフォアボールを出してしまったことが失点に繋がっている。そこを反省しないといけない」と悔しがった。
前回の楽天戦も、3-2の6回に先頭のボイトに四球、黒川史陽にセンター前に運ばれ無死一、二塁のピンチを招いたが、フランコを2ボール2ストライクから5球目の138キロスプリットで空振り三振、宗山塁を1ボールから2球目の130キロチェンジアップで右飛。二死一、三塁でゴンザレスを1ボールから投じた2球目の147キロストレートで右飛に打ち取り、スコアボードに0を入れた。
しっかりとイニングを投げきり、リリーフ陣にバトンを繋いだ。
◆ 右打者のインコース
前回登板の楽天戦は、本拠地・ZOZOマリンスタジアム特有の風を受けてのマウンドだった。「あんまり意識することなく投げられましたし、ボールが少しシュートするなと感じましたけど、投球において影響したことはないですし、カーブも思った以上に風の影響でいつもより曲がっていました。コントロールを難しく感じましたけど、チェンジアップが効いてきたのでよかったかなと思います」。
初回0-0の初回一死走者なしで村林一輝を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース149キロストレートをはじめ、“右打者のインコース”のストレートが良かった。
「インコース1球行くだけでもバッターの見え方も全然変わりますし、変化球をマークしてフォークか何かを待っていたと思うんですけど、インコースまっすぐをズバンといけてあとの投球もすごく楽になったので、あの1球は本当に大きかったのかなと思います」。
立ち上がり右打者のインコースに素晴らしいストレートを投げ込んでいたが、3回は15球中12球が変化球と、変化球主体の投球。「勝負球にまっすぐを持っていきたかったというのもありますし、変化球をいくことによってまっすぐの見え方も全然変わってくる。ゆるい変化球でカウントを取ってまっすぐで勝負球にしたいというのはあのゲームではありました」。
4回、5回は再び持ち球を満遍なく投げ、三者凡退に抑えた。「なかなかうまくいかないことが多かったですけど、毎イニング三者凡退に抑えたい気持ちでやっていますし、リズムというのが自分の売りでもあるので、そこは無くさずにやっていきたいなと思います」。
◆ 登板間隔
オールスター明けは8月2日、8月19日、そして今夜の日本ハム戦と登板間隔が空いてのマウンドが続く。
「空くのも慣れてしまったというか、そんなに苦にも思わないので、リカバリーの部分も追いついきていますし、相手バッターのデータを見る時間がめちゃくちゃあるので、それをプラスに考えながら、冷静にピッチングをして、悔しい登板が3試合くらい続いているので、それをなくせるくらいのピッチングをしたいなと思います」。
登板間隔は空いているが、中6日で投げられるような準備もしている。「中6日のタイミングでブルペンに入って球数を増やしたり対策はしているので、全然苦には思わないですし、むしろ投げたいくらいでやっています」。
オールスター明け3度目となる今夜、先発2勝目を目指しマウンドに上がる。
取材・文=岩下雄太