18時からの西武戦に先発するロッテの小島和哉は、前回先発の8月31日のソフトバンク戦、6回・123球を投げ、10被安打、7奪三振、2与四球も2失点にまとめ、今季7勝目を手にした。
その中でも、4-1の5回無死走者なしで牧原大成を2ボール1ストライクから空振りを奪った4球目のインコース131キロチェンジアップが良かった。8月16日のソフトバンク戦以降、左打者にもインコースを投げ込んでいるように見える。
「左バッターの縦変化がいい軌道、良いイメージができているのでそのチョイスをしていますが、チームによってホークスとは追い込まれてからの変化球の技術というのはものすごく高い。その1球種にならないように、他の球種を匂わせて、という攻めでも。たまたま結果球がチェンジアップ、フォークというだけで、スライダーかな、縦変化かな、ワンチャンスストレートかなという駆け引きなので、いつか打たれることもあると思いますけど、その駆け引きはピッチャーやっている楽しみなので、楽しんで投げて行けたらいいかなと思います」
プロ入りから数年は、カットボール、チェンジアップを中心の投球だったが、現在はカットボール、チェンジアップ、スライダー、フォークと年々球種を増やし、投球の幅を広げている。今年の登板を見ていると、いろいろな投球の顔をみせる。これも、その日によって捕手が球種を選択してくれているということも関係しているのだろうかーー。
「それはあります。(佐藤)都志也と話をしていて、前半あんまりまっすぐが感触良くないわ〜と言って投げていても、途中からよくなることがあるので、毎イニング、寺地もそうですけど、話して自分の状態とか前のバッターの投げた打者の繋がりとかを考えて配球はしています。良いコミュニケーションができているかなと思います」。
4-1の5回一死一塁で中村晃に対し、フォーク、チェンジアップで2ボール2ストライクとし、タイミングを外してスライダーで空振り三振を奪ったのは見事だった。
「もともとスライダーとか打つのが上手い選手なので、そのスライダーだけにならないように他の球種を匂わせてというのがうまくいったかなと思います」。
3日の日本ハム戦で、小島とともに近年のマリーンズの先発陣を引っ張る種市篤暉が、今季初完投勝利を挙げた。「すごくピッチングも見ていて良かったですし、自分も負けていられない気持ちになっているので、はい。完投、完封は難しいので、しっかりと試合を毎試合作って最後まで行けるようには頑張りたいなと思います」と刺激を受けた。
小島は現在113回1/3を投げ、残りの登板で自身5年連続規定投球回達成にも期待がかかる。「チームスポーツなので、個人の成績は重要視してはいけないのかなと思いますけど、自分がイニングをたくさん投げることによってチームのデメリットはないと思うので、しっかり今まで積み上げてきたものを今年も積み上げられるようにしっかり毎試合作れるように頑張りたいと思います」。先発としてゲームメイクし、今夜もチームを勝利に導く。
取材・文=岩下雄太