ドジャースの佐々木朗希がマイナーリーグで最後のリハビリ登板を迎える。
ドジャースのロバーツ監督は、佐々木の次回登板について、現地9日(日本時間10日)のジャイアンツ傘下3Aのリバーキャッツ戦になる見込みだと言及。リハビリのためのマイナー登板は最大30日間というルールがあるため、佐々木にとって次回が実質マイナーでのラスト登板となるだろう。
その後はメジャーで登板する可能性も残されているが、3Aでも防御率7点台と打ち込まれているだけに状況は厳しい。先発ローテーションの枠が埋まっていることに加えて、ロバーツ監督はリリーフ起用にも後ろ向き。佐々木にとって次回がメジャー1年目のラスト登板となる可能性が高い。
佐々木の1年目のメジャー成績は8試合に登板して、1勝1敗、防御率4.72。自身7度目の登板で待望の初勝利を挙げたが、開幕から制球難が続き、被弾も6本を数えた。自慢のスピードボールもロッテ時代から激減し、メジャーの洗礼を浴びた形だ。
いや、自身の成長がメジャーレベルに追いついていなかっただけともいえるだろう。3Aでの成績を見れば、もう1つ下のレベル(2A)からの再出発が適切かもしれない。
ちなみに佐々木の1年目のFangraphs版WAR(以下、fWAR)は「-0.2」。まさかのマイナス指標で、文字通りチームの足を引っ張った。
思い返せば、開幕前は佐々木の現地評価はかなり高く、多くの現地メディアが新人王候補に名前を挙げていた。メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』のプロスペクト(若手の有望株)の情報を扱う「MLBパイプライン」は毎年、シーズン前にプロスペクト・ランキング全体トップ100を発表しているが、今年の栄えある1位に輝いたのが他でもない佐々木だった。
先にも述べた通り、1年目はその期待を大きく裏切る結果に終わった佐々木だが、実は前年の2024年も開幕前のプロスペクト・ランキングで全体1位となったジャクソン・ホリデー(オリオールズ)もブレイクが期待されたが、メジャーの壁にぶち当たり、わずか60試合の出場で、打率.189、5本塁打、23打点。fWARは「-0.1」だった。
ちなみに2015年以降(コロナ禍の2020年を除く)の開幕前のプロスペクト・ランキング1位選手でfWARがマイナスだったのは佐々木とホリデーだけ。ホリデーは2年目の今季、レギュラーに定着し、打率.248、17本塁打、53打点、fWAR1.1と徐々に本領を発揮しはじめている。来季は佐々木も同じようにメジャーリーガーとして次のステップに進むことができるか。
【2015年以降のプロスペクト・ランキング1位選手のfWAR】
2015年 0.1 バイロン・バクストン(ツインズ)
2016年 5.2 コリー・シーガー(ドジャース)
2017年 1.9 アンドルー・ベニンテンディ(レッドソックス)
2018年 3.8 大谷翔平(エンゼルス)※打者として2.7、投手として1.1
2019年 0.3 ウラジミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)
2020年 — ワンダー・フランコ(レイズ)※コロナ禍もあり出場機会なし
2021年 2.4 ワンダー・フランコ(レイズ)
2022年 2.3 ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
2023年 4.6 ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)
2024年 -0.1 ジャクソン・ホリデー(オリオールズ)
2025年 -0.2 佐々木朗希(ドジャース)
※所属チームは当時