ロッテの佐藤都志也は7月29日に再昇格後、23試合に出場して、打率.317(63打数20安打)、3本塁打、7打点と打撃好調だ。
今季は石垣島春季キャンプ中に『右足第1指末節骨骨折』で離脱。なんとか開幕に間に合い、3月28日のソフトバンクとの開幕戦で「いい流れで回ってきたので初球から積極的に打ちにいき1発で仕留めることができたのでよかったです」と今季第1号2ランを放った。
最高のスタートを切ったが、打率.105と苦しみ、4月23日に一軍登録を抹消。5月3日に再昇格を果たしたが、再昇格後も思うようなバッティングができず、故障で再び6月14日に一軍登録を抹消された。
7月26日のDeNA二軍戦、『2番・捕手』で実戦復帰を果たすと、7月29日に一軍昇格。7月30日の楽天戦、1-7の5回二死走者なしの第1打席、岸孝之が1ストライクからの2球目の外角131キロチェンジアップを左中間に破る二塁打を放つと、続く3-7の6回二死二、三塁の第2打席は「戦力になれて良かったです。前の打席に1本打って久々に凄い良いコールを聞けたので、この打席も声援に応えることができて良かったです」と2点適時二塁打を放った。
8月30日のソフトバンク戦、5-4の8回無死走者なしの第4打席、尾形崇斗が2ボール2ストライクから投じた4球目のストレートをライトスタンド最前列に開幕戦以来となるアーチを放つと、翌31日のソフトバンク戦、0-1の2回無死走者なしの第1打席、「後ろに繋ぐ気持ちで行って結果こうなったので良かったです」と、松本晴が1ボールから投じた2球目の132キロスライダーをライトへ2試合連続の本塁打。8月は月間打率.324(37打数12安打)、2本塁打、3打点と“打てる捕手”としての存在感を放った。
9月に入ってからも3日の日本ハム戦から3試合連続安打を放ち、7日の西武戦では1-0の3回二死一塁の第2打席、「追加点を取ることができて良かった」と篠原響が3ボール1ストライクから投じた5球目のスライダーを第4号2ラン。
現在の打撃について佐藤は「良い感じでは打てているんですけど、タイミングの取り方は良くなっているかなと」と手応えを掴む。「バッティングはタイミングなので、タイミングをすごい上手く取れているのかなと思います。タイミングが取れていない時は打てていないですし、そこはタイミングをしっかり取れているのが、よくなってきているところかなと思います」。
特にここ最近本塁打が増えているのも、タイミングが関係しているのか質問すると、「そこしかないかなと思います」とキッパリ。
打撃の状態が上がらなかった5月に取材した時に「下半身を使ってスイングすること」を意識していると話していたが、現在はタイミングを意識しているのだろうかーー。
「もちろんタイミングなんですけど、下半身で打たないと。調子が悪くなってくると手が先行しちゃうので、あまり手のことをふれずになるべく下半身を使って打てるようにバッティング練習からやっています」。
守っても小島和哉、種市篤暉といった“エース格”の2人を好リード。9月3日の日本ハム戦で種市篤暉を完投勝利に導けば、小島も佐藤が先発マスクを被った8月16日のソフトバンク戦から4連勝。小島は変化球主体の投球が多かったが、佐藤とバッテリーを組んでからストレートの割合が増えたように見える。
佐藤は「どうなんですかね、わからないですけど、まっすぐあっての変化球というイメージがあるので。小島さんの良いところは両サイド投げられるところでもあるので、それを変化球でかわしたら真っ直ぐをどこで使うんだろうという感じになると思います。まっすぐでいって、変化球が活きるピッチャーだと思います。そこは僕が組むと決まった時から、そこは守ってそうしようと話をしていたので、いい形になっているのはすごく良いと思います」と教えてくれた。
ファームで故障離脱していた間も、小島、種市の映像などを見て、状態などを把握していたのだろうかーー。「もちろん。僕だったら、ああするなこうするなというイメージはあったので」。
チームは残り21試合。「まだまだやれるぞというところを見していきたいと思います」。チームの勝利のため、攻守に活躍することを誓った。
取材・文=岩下雄太