「まだまだ自分のレベルに足りないというのが痛感できたというか、いい経験ができたと思いました」。
ロッテの育成2位・茨木佑太(帝京長岡高)は、8月7日の日本ハム二軍戦で二軍公式戦デビューを果たすも、2回・47球を投げ、4被安打、0奪三振、3与四球、5失点と悔しいマウンドになった。
茨木は具体的に“足りない”と感じた部分について、「全てにおいてなんですけど、特にボールの威力とか、球速、制球力、全てに全然足りていないなと感じましたね」と自己分析した。
それでも、二軍公式戦2試合目の登板となった8月16日の日本ハム二軍戦は、4-1の8回にマウンドに上がり、「今やっていることを出しているだけ。たまたまそれが同学年だったというだけで、そういうことは意識することなく、自分の出せることを出せたのがあの試合でした。それは良かったかなと思います」と、同学年の柴田獅子を1ボール2ストライクから145キロのストレートで空振り三振に仕留め、プロ初三振を奪うなど、1回を無失点に抑えた。
持ち球は「スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークをうまく割合で投げているという感じですかね」と明かし、「スライダーが得意なので、そこをうまく使えるようにという感じです。スライダーでうまくカウントを取りながら、他の球種で空振りを取ったり、タイミングをズラしたり打ち取っていく感じですかね」とピッチングスタイルについて語る。
ストレートに関しては「質もそうですし、球速もそうですけど、まだまだなので、そこはずっと求めていますね」と、さらなる向上を目指す。
プロの舞台で長く戦う上で大事になってくるのが体づくり。「まずはしっかりウエイトトレーニングで怪我をしないように作ってというところで、体づくりをやっています。しっかり柔軟性であったりというところをつかないと意味ないので、そこを意識してやっています」。
将来をイメージしながら日々のトレーニングを行うことができているのだろうかーー。
「そうですね、一軍で戦えるように。一軍のプロ野球選手として、結果を出したいところではあるので、そういうところを出せるように今はやっていますね」。
将来は「一軍で勝てるというか、チームの軸になれるようなピッチャーを目指してやっていますね」と、目標を掲げる。
近い世代では1学年上の木村優人、2学年上の田中晴也が今季一軍でバリバリと投げ、茨木と同じように育成でプロ入りした高卒3年目の吉川悠斗は7月末に支配下選手となり、8月21日の楽天戦でプロ初勝利を挙げた。「一軍で投げている姿を見ると、自分も早くあそこで投げたいなという気持ちは強くなりますね」と、彼らに続きたいという想いを持っている。
「自分は今やっていることを出すだけなので、今やっていることの中でしっかり抑えて、アピールしてやっていけば、徐々に良くなっていくのではないかなと思います」。将来一軍で活躍するための準備を今は行っている。
取材・文=岩下雄太