「完封したいですね、はい」。
18時からのソフトバンク戦に先発するロッテ・種市篤暉は前回登板の3日・日本ハム戦(ZOZOマリン)、今季初完投勝利で6勝目を挙げたが、全く満足していなかった。
種市は6月5日の巨人戦から13試合連続100球以上を投げているが、7、8回で120球近く投げるのと、9回・116球を投げるので、疲労度が違うのか訊くと、「正直、疲れ度的にはそこまで変わらなかったですね」と涼しい顔。
前回の日本ハム戦では、「風強い日は低めが伸びるので、低めしか意識していなかったですね」と、立ち上がりからストレートを低めに制球した。2-1の6回一死走者なしでレイエスを2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた5球目の外角150キロストレート、2-1の8回一死走者なしで水谷瞬を1ストライクから見逃しを奪った外角148キロのストレートとなど、右打者のアウトコースのストレートも良かった。本人も「良かったと思います」と振り返った。
フォークも1-0の3回二死走者なしで水谷を2ボール2ストライクから空振り三振を奪ったフォークをはじめ、ストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちの球が多かった。
「フォークに関してはそうですね、比較的に良くなかったと言ったらあれですけど、カウント球のフォークはよくなかったです」。
2-1の6回先頭のマルティネスを1ストライクから2球目に空振りを奪ったインコース137キロシンカー系フォークが良かったことを伝えると、種市は「それは良かったと思うんですけど、3、4、5回くらいの時のカウント球のフォークはよくなかったですね」と反省。
種市本人はフォークに納得いっていなかったが、4月15日の日本ハム戦以来のバッテリーを組んだ佐藤都志也はどう見ていたのだろうかーー。
「ちょっと種市も不安そうだったんですけど話し合いで、“大丈夫、フォークもマークしているから差さるから”と声かけしながら、押すところは押して、引くところはひく、それができたのかなと思います」(佐藤都志也)
気になったのは、0-0の初回二死走者なしでレイエスに2ストライクから空振り三振に仕留めた縦に落ちる変化球。縦に落ちるスライダーのように見えたが、変化がいつもと違うように見えた。縦のスライダーで良いのか確認すると、種市は「スライダーですね、あれは風が助けてくれたという感じです」と教えてくれた。
ここ最近の登板ではカウント球にカーブを投げる傾向があり、8月27日のオリックス戦ではカーブを10球投げたが、3日の日本ハム戦は3球とここ最近の登板では少なめだった。マスクを被っていたのが佐藤だったことが関係しているのか訊くと、「単純に(佐藤)都志也さんの配球ですね」とのことだった。
前回登板はストライク先行で理想的なピッチング。「う〜ん、良かったとは思いますけど、反省点は多々ありますし、序盤も投球フォームを試しながら投げていた。しっくりこなかったので、完投できて良かったですけど、納得はできなかった1つの点かなと思います」。
今月は8連戦が2回あるタイトな日程。「やることは変わらず、ただただゼロを並べて長いイニングを投げていきたいと思います」。首位・ソフトバンクを相手に、ゼロを並べていく。
取材・文=岩下雄太