「今は足を上げないようにしているので、本当に色々試しながらやっているところです」。
ロッテの松石信八は、“タイミング”の取り方で試行錯誤している。
松石は3月22日の西武二軍戦、「サブローさんに足の上げ方、タイミングの取り方を教えてもらってすぐ結果がついてきたので、本当にタイミングの取り方、足の上げ方だけで、あれだけ変わることなので、オープン戦は打率0割だったんですけど、オープン戦が終わって教えてもらって開幕して教えてもらってからちょっとずつヒット性のあたりが生まれてきた。そこが本当に良かったなと思います」と、8-0の5回二死一、二塁の第3打席、森脇亮介が投じた初球のインコース126キロフォークをレフトフェンス直撃の二塁打を放った。
7月9日の日本ハム戦、7-3の9回二死一、二塁の第2打席、福谷浩司が1ボール2ストライクから投じたスライダーをレフトの頭を越える2点適時二塁打も非常に良かった。7月は月間打率.308をマークしたが、「バッティングは色々試しながら、良い時も悪い時も、という感じなので、完璧には全然掴んでいない。試しながらという感じでやっています」と、8月は月間打率.132と苦戦した。
今季は荻野貴司、角中勝也、中村奨吾といった一軍で活躍する選手たちが、ファームでプレーしていることが多い。ベテラン選手たちから学ぶことはあるのだろうかーー。
「タイミングの取り方だけではないんですけど、バッティングでも守備でも(中村)奨吾さんとかに色々なことが聞けるので、自分から積極的に勉強しにいくようにしています」。
先輩選手に質問するにあたり、自分が学びたいことを聞いているのだろうかーー。
「あんまりそういうのはないんですけど、ちょっと悩んだ時に“そういう考えもあるのか”と、幅が広がっていくので、そこは嬉しいですね。守備だったら奨吾さん。荻野さん、角中さんにも聞いたりしますね」。
松石は取材の際、“トップの作り方”、“タイミング”ということを常々口にしているが、そこは変わらず意識しているのだろうかーー。
「いろんな体の使い方でも、そこだけはしっかり頭に入れながら、ですね。タイミングが一番大事だと思っているので、そこは常に意識しているところではあります」。
打つだけでなく、バントという小技も松石がプロの世界で生き抜くために重要な項目になる。今季はここまでイースタン・リーグ2位タイの12犠打。ただ、1球で送りバントを決めるケースが少ないのは気になるところ。「バントは練習でもやっていますし、試合でなかなか1球で決まらないことがあるんですけど、1球でしっかり決めることを目標にやっています」。
◆ 守備
広い守備範囲と強肩を活かしたショートの守備も魅力。6月26日のオイシックス戦、2-0の6回無死走者なしで大川陽大の三遊間のゴロを逆シングルでスライディングキャッチし、一塁へスローイングしアウトにすれば、8月3日の巨人二軍戦では、2-5の6回一死走者なしで浦田俊輔のセンター前に抜けそうなセカンドベース右寄りの当たりを飛び込んで素早く立ち上がって一塁へ送球しアウトした。
松石は守備について「いいプレーもあるんですけど、球際のところでミスをしたり、そういうプレーもあるので、確実にアウトを取れるようにやっていかないといけないなと思います」と口にした。
「来年に向けてやっていくだけだと思っているので、アピールも大事なんですけど、しっかり自分のやるべきこと、守備だったり、バッティングもそうですけど、そこをもっと大事にやっていければなと思いますね」。残りの試合で攻守に来季に繋がるプレーをしていく。
取材・文=岩下雄太