ブルペンで投球練習するロッテ・唐川侑己[撮影=岩下雄太]※撮影2024年

 「入りは不安ではあったんですけど、自分のパフォーマンスは出せたかなと思います」。

 ロッテ・唐川侑己は今季初先発となった9月23日の西武戦、7回・80球を投げ、3被安打、5奪三振、0与四球、無失点の投球で今季初勝利を手にした。

 23年プロ入り後初めて未勝利に終わったが、昨季8試合(6先発)、3勝2敗、防御率2.37と復活の兆しを見せた。オープン戦で1試合に登板し3回を無失点に抑えたが、開幕はファームスタート。

 「普通です。普通って難しいです。二軍の試合で投げられるという感じです」と話しながらも、開幕からファームで安定した投球で、4月12日の西武二軍戦後には防御率1.33といつ呼ばれてもいいような投球を披露していた。

 4月終了時点でファームでは5試合・23回1/3を投げ、2勝1敗、20奪三振、防御率2.31の成績を残し、5月6日の楽天戦で今季初先発のチャンスが巡ってきた。しかし、雨天中止により一軍の先発機会は訪れず、翌7日の西武二軍戦に登板した。5月まで先発で調整していたが、6月1日の日本ハム二軍戦リリーフで1イニングを投げると、6月4日に一軍昇格。6月11日の広島戦2-2の11回に登板し1イニング目は無失点に抑えたが、2イニング目に4点を失い降板。6月13日に一軍登録を抹消された。

 8月23日のDeNA二軍戦では、左足を上げた際、グローブをパンパンとタイミングをとるような形で投げていたが、「フォームの中でトップをしっかり決めて投げたいというのがあったので、そのタイミングを探って、いろんな形になっているのかなと思います」と教えてくれた。

 先発で調整しながら雨天中止、リリーフでの一軍登板など、チーム事情とはいえ、不運な状況が続いていたが、ようやく巡ってきた一軍での先発のチャンス。「せっかくもらったチャンスだったので、舞台を楽しんで思う存分味わって投げられたらというのが一番でしたね」と久しぶりの一軍の先発、楽しもうという思いマウンドに上がった。

 「西川選手の時は初球外を狙ったんですけど、他は内を狙っていて中に入っちゃったかなと。コントロールミスではあったんですけど」と反省するも、先頭の西川愛也を外角148キロのカットボールで3球三振、続く滝澤夏央も外角の145キロカットボールで空振り三振、3番・渡部聖弥をインコース145キロカットボールで遊飛、わずか13球で初回を終える。

 「初回と2回と投げ分けがうまく行っていなかったのですが、良い球がいっていたので、ちょっとずつ投げ分けができていたかなと思います」と、先制点をもらった直後の3回以降は伝家の宝刀・カットボールをコースにしっかり投げ分けた。

 この日カットボールと共に、スライダーの割合も多かった。スライダーは昨季勉強中のボールと話していたが、4月4日の取材で「目先を変える意味でもスライダーが増えたかなという感じ」と話し、6月4日の取材時に「有効な球で使えるかなという意識ではいますね」と信頼を置く球種のひとつに。

 23日の西武戦でスライダーを多投した要因に「ミーティングでもそういう話があったので、意識して使うようにということはないですけど、意識はしていました」と説明。

 気になったのは、1-0の7回先頭のネビンの初球にファウルにした124キロのスライダーは横に大きく曲がり、スイーパーのように見えた。9月9日の楽天二軍戦でも、3-3の7回先頭の入江に1ストライクから投じた2球目のボール球になった外角128キロのスライダーはスイーパー気味の球を投げている。

 スイーパーか確認すると、「そんなにスイーパーという意識はないですけど、同じスライダーですね」と多くは語らず。

 チェンジアップも1-0の3回一死一塁で西川の初球138キロ、1-0の4回先頭のネビンの初球135キロを計測するなど、ここ最近の登板ではスピードが上がっている。唐川本人は「そうっすね。ちょっと速いので、もう少し遅くしたいのが理想ですね」と語った。

 ストレートは山村崇嘉に投じた1球のみ、カットボール、スライダー中心に、時折チェンジアップを織り交ぜる投球で、西武打線を7回無失点に抑え、今季初勝利を飾った。なかなか一軍での先発チャンスが訪れない中で、一発で結果を残したのは、日頃の準備の賜物だろう。翌日に高卒2年目の木村優人がプロ初完封勝利を挙げるなど若手の台頭もあるが、まだまだ働き盛りの36歳・唐川侑己の力は必要だということを証明した。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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