「松川さん、植田さんが一軍でプレーしていて、ベテランの人たちがいる中で試合数が増えてきています。自分の中ではミスとかしてもいいからやれることはやろうという気持ちでやっています」。
ロッテの育成2年目・富山紘之進は、ファームで現在7試合連続でスタメンマスクを被る。
フレッシュオールスター前は、捕手でスタメン出場した試合は7試合だったが、フレッシュオールスター明けは18試合、特に9月だけで15試合先発出場する。
試合後に映像を見て振り返りを行なっているが、その中で大切にしていることについて富山は「ミスしたなら、今日のミスをイメージして練習したり、その試合を1試合全部振り返って今日はどうだったか配球のところで変なところがなかったのかを映像で確認しながら、ノートに書いてまとめたりしています」と話す。
反省したことを次の試合に活かしていく。その中で、田村龍弘、柿沼友哉といった一軍の経験が豊富な捕手からも助言をもらっているという。
「田村さん、柿沼さんにもアドバイスもらったりして、球種の使い方だったり、教えてもらえるので次の試合でもそういうことを活かすためにノートにまとめて、それを意識してやっていますね」。
注目すべきは、富山の強肩を活かした盗塁阻止。8月28日のオイシックス戦では1試合に2つの盗塁を刺した。
「感覚は良くなってきた感じがします。刺せなかった時も感覚は悪くないので、狂わず同じところに投げることを意識してやっています」。
バッティングでも、「あれはたまたまなので、意識せずヒットを狙って打席は考えています」と8月16日の日本ハム二軍戦、3-1の8回無死走者なしの第2打席、池田隆英が3ボール1ストライクから投じた5球目の148キロストレートをレフトへプロ初本塁打。それも日本ハムの一軍の本拠地・エスコンフィールドで放ったものだった。
9月26日の巨人二軍戦でも、0-6の7回無死満塁の第3打席、松井颯が1ストライクから投じた2球目の147キロストレートをレフトに適時打を放つなど、マルチ安打をマークした。
ここ最近は、オープンスタンスの打撃フォームで打っている。「ちょっと開き気味に構えてピッチャーをよく見えるように。顔全体をピッチャーに向けるように構えています」とその理由を説明した。
攻守に勉強の日々となっている富山。「残り試合は課題とかあるので、全部は無理だと思うんですけど、悔いが残らないように1個1個自分でも意識しながら、後悔しないようなシーズンにしたいです」。トライアンドエラーを繰り返し、選手としての経験値を上げていく。
取材・文=岩下雄太