「ずっと良いと思います」。
ロッテの秋山正雲はストレートに手応えを感じている。
秋山はここ数年、ストレートにこだわってトレーニングを積んできた。今季は145キロ以上計測するなど、スピードも上がっている。「球速自体は平均的に上がっていると思うので、球速はあまり意識しないようにしています。勝手に(スピードが)上がってくれればいいかなという感じです」。
映像を見ていても、8月11日のヤクルト二軍戦ではストレートが強く、2イニング目となった0-1の7回、先頭の右打者の矢野泰二郎を1ボール2ストライクから空振り三振を仕留めた4球目のストレートが非常に強かった。
「ストレートは自分が投げる質とかは理想に近づいているので、あとはどこに投げるのかだけ気にしています」。
その理想とするストレートについて「ファウルの取り方というか、40中盤でも空振り、ファウルが取れるようなボールを常に求めてやっています」と明かした。
変化球で言えば、チェンジアップ、スライダーを中心に投げているが、チェンジアップに関しては「最近あんまりよくないですけど、チェンジアップも安定してくれば、また違った配球ができると思うので、もう少し調整しなきゃいけないかなと思っています」と課題を口にする。
スライダーについては「よくなってきていると思います。スライダーでストライクが取れたり、2ストライクからスライダーで空振り三振が取れたりするので、そこが変わってきているのかなと思います」と好感触を掴む。
今季は初登板となった4月4日のDeNA二軍戦で2回を投げ3失点を喫したが、4月12日の西武二軍戦から6月24日のオイシックス戦にかけて8試合連続無失点。4月4日のDeNA戦後の防御率は『13.50』だったが、6月24日のオイシックス戦後には防御率『1.88』まで良化。
7月3日の楽天二軍戦で失点するも、8月は3試合・7イニングを投げ、防御率1.29。先発した9月11日の楽天二軍戦で5回2失点、9月21日のDeNA二軍戦で5回4失点だったものの、シーズンの防御率は2.68だ。
今季安定している時期が長かった理由について「今年最初からそうなんですけど、安定したピッチングというか、去年とかは1試合良くて次の試合がダメという試合があったんですけど、今年は安定したボールが投げられているので、ゼロにつながっているのかなと思います」と自己分析し、「再現性もそうですし、調子の波が大きく崩れないのが今年は前よりも成長したところだと思います」と続けた。
「先発やったりしていますけど、リリーフが長かったので、長いイニングを投げようとせず、1イニング、1イニング1人ずつ抑えていくことを意識してやっていきたいと思います」。ファームの公式戦は残り1試合。登板機会があれば、力強いストレートで抑えてくれるはずだ。
取材・文=岩下雄太