記者会見を行ったロッテ・高坂社長(撮影=2022年12月2日)

 2021年にロッテは、“Vision2025”を掲げ、具体的な方策を4つ挙げたが、その一つに“新たな常勝軍団に”を掲げたが、この5年間でリーグ優勝を達成することができなかった。

 高坂俊介代表取締役社長は5日の試合後、報道陣に対し、「振り返ってみますと、千葉ロッテマリーンズというのは長らく優勝争いに絡めない。Aクラスというよりは、どちらかというとBクラスに定着する機会が多かったと思います。特にこの20年で振り返ってみましても、2005年プレーオフを勝ち抜いてからの優勝、日本一、2010年には3位から下剋上で日本一がありましたけど、良い状態が長く続かない。2018年以降は経営的な改善がありましたけど、その先を描くことができていませんでした。そういうこともあって、特に20年以降、チームがどうあるべきか、あるべき姿、目指すべき姿はなんなんだろうということで、“常勝軍団”になろうと掲げて取り組んでまいりました」と説明。

 「今回区切りの年となる中で、Visionを成し遂げることができなかった。マリーンズというのは、過去を振り返ってみますと、何かうまくいかなかったときに、大幅なリセットをしっかり振り返りをやりきれないままに、次のシーズンに向かうことを過去何度か繰り返しています。これだと、失敗の経験を次に繋ぐことができないと考えています。組織上の大きな課題はこれにあると思っています」と続けた。

「ですので、非常にこのような結果の中でこれから再建していくことは大変苦しいですし、選手も向き合わないといけない。編成、戦略部門については自己否定も必要なものになって、苦しいことだと思うんですけど、ここで歯を食いしばってやっていかなければ、本当に強いチーム・球団は作ることができないと思っています。これからしっかり向き合ってやっていきたいと考えています。なので、まずはリーグ優勝を少しでも早くつかみ取れるようにしたいですし、常勝軍団はその先にある話だと思いますので、そういった姿をできるだけ早くお見せできるようにしっかり取り組んでいきたいと思います」と決意を述べた。

 2021年は「この1点を、つかみ取る。」をチームスローガンに掲げリーグ制覇を目指した21年は、10月に2位ながら1970年以来51年ぶりとなる優勝マジックを点灯させ、優勝マジックを「3」まで減らしたが、オリックスが最終戦となった10月25日の楽天戦に勝利し、ロッテはソフトバンクに7-15と大敗。これでロッテは優勝するために残り3試合を3勝、もしくは2勝1分で終えなければいけない状況になった。もう1敗も許されない10月27日の楽天戦に1-2で敗れ、2位に終わった。

 井口資仁氏最終年となった22年は前半戦を46勝44敗1分、首位と2ゲーム差の4位で終えたが、最終的にはリーグ優勝したオリックスと7.5ゲーム差の5位に終わった。この年限りで井口氏が退任し、吉井理人監督が23年から指揮を執った。

 23年はシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦に勝利し、2位に入り、クライマックスシリーズでは1勝1敗で迎えた3位・ソフトバンクとの第3戦、3点を追う延長10回裏に、藤岡裕大の値千金の同点3ラン、安田尚憲の適時二塁打で4点を奪いサヨナラ勝ち。ファイナルステージでも第2戦に1点を追う9回に安田の適時二塁打、山口の犠飛で逆転し、6-5で勝利するなど、シーズン最終盤から劇的な勝利を何度も見せた。

 24年は5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15試合連続負けなしの時期もあったが、チームとしての好不調の波が大きく、9月は大きく勝ち越している西武、楽天、オリックスといった下位球団との対戦となったが、9月は10勝10敗と大きな貯金を作れず。最後は2位争いどころか3位争いに巻き込まれ、最終的には3位を死守し2年連続CS進出を決めた。

 25年は昨季の王者・ソフトバンクを相手に敵地で逆転勝ちでの3連勝と、課題だった打線が繋がり、今年は一味違うように見えた。4月29日のオリックス戦から5月5日の楽天戦にかけて6連敗、7日の楽天戦に勝利も9日の西武戦から5連敗。 5月は6勝17敗と大きく負け越し。交流戦で10勝8敗と勝ち越し、交流戦をきっかけに交流戦明けは立て直されると思ったが、そこから大きく浮上することはなかった。結局、11勝11敗で終えた6月以外は全ての月で負け越し。藤原恭大、西川史礁、寺地隆成、木村優人といった若手が台頭したが、主力選手、外国人選手の不振などが相次ぎ、まさかの最下位に終わった。

 Vison2025は失敗に終わり、2026年以降はチームとして、立て直しが求められる。高坂社長は「今シーズン、このような結果になってしまったこと悔しいですし、応援いただいたファン、関係者の皆さんに申し訳思っております。そのような状況を踏まえて、チームは抜本的な見直し、立て直しが必要と考えております。シーズン中、日々の試合と向き合いながら、並行してではありますけど、編成部門、戦略部門には先駆けて、なぜこのような結果になってしまったのか、立て直すためにどうしたら良いのかということを検証して、再建の計画を検討してもらってきました。詳しいところはオフの編成、ドラフト戦略に影響するところがありますので、この場での言及は避けますが、チーム全体で強度を上げる必要があると考えています。ですので、秋の練習、キャンプがこれから始まりますけど、そこから徹底的にやり直したいと考えています。春のキャンプについても大幅に運用を見直したいと思っています。それに合わせてチームのマネジメント陣を大きく組み直す予定で考えています」と、チームとして、組織として変化していくことを誓った。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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