ロッテの吉井理人監督が今季限りで退任した。
ロッテは今季チームは最下位に沈んだが、ドラフト1位の西川史礁、高卒2年目の寺地隆成、高卒7年目の藤原恭大が規定打席に到達し、投手陣も横山陸人が2年連続40試合に登板しシーズン途中から抑えを務めた。高卒2年目の木村優人はシーズン通して一軍に帯同し、シーズン最後の登板では完封勝利を収めるなど、来季に期待を持たせる投球で終えた。オールスター明けは一軍の戦力になれなかったが、田中晴也、中森俊介もオールスター前は躍動。
継続して活躍ということは課題があるが、吉井監督が指揮をとった3年間で小島和哉と種市篤暉がエース格に成長し、佐藤都志也と鈴木昭汰は昨季プレミア12に選出され、髙部瑛斗は昨年7月に月間MVPを獲得、友杉篤輝は2年連続で100試合以上に出場、小川龍成も自分の方向性を見つけ昨季と今季でチームに欠かせない存在に成長、菊地吏玖は昨季夏場以降リリーフで存在感を高め、高野脩汰も今季ブレイクと、若手・中堅の活躍が光った。今季は活躍の舞台をメジャーに移したが、佐々木朗希は日本最終年となった昨季シーズン自己最多の2桁勝利を挙げた。
22年10月18日の監督就任会見で、吉井監督は若手選手に求めることについて、「若手選手たちはまだ自分の特徴を知らない選手がたくさんいて、できもしないことを一生懸命やっている。それで実力を出せていない選手がたくさんいると思うので、自分の特徴を知って活かせるようにして欲しい。そのように、こちらも指導していきたいと思います」と話していたが、この3年間で“自分の特徴を知って活かせるようになった選手”はどれくらいいたのだろうかーー。
「みんなできることは増えてきているので、自分の特徴は徐々に気づき始めているのかな。まだ全然気づいていない選手もいるんですけど、これは経験しないと分からないので、あとはコーチがちゃんと気づかせるコーチングができるかなんですけど、徐々に上手くなっていると思います」。
野手では山本大斗、上田希由翔、アセベド、投手では早坂響、吉川悠斗、坂井遼など期待の若手も一軍を経験した。吉井監督時代に経験を積んだ若手・中堅選手たちが、来季以降しっかり花を咲かせることが恩返しとなる。
取材・文=岩下雄太