ロッテ・吉井監督 (C)Kyodo News

 ロッテは“Vision2025”の集大成を迎えた2025年シーズン、56勝84敗3分、リーグ連覇したソフトバンクと31.5ゲーム差の最下位に終わった。

 大きくまとめると今季はこれまで支えてきた主力選手、外国人選手の不振、勝ち試合を勝ちきれなかったこと、記録に残らないミスが相次ぐなど、ここ数年Aクラス争いをしてきた反動が、全て今季に出てしまった格好だ。

 ソフトバンクとの開幕3連戦では、昨季まで苦手にしていた有原航平に対し5回までパーフェクトに抑え込まれるも、1点を追う6回に髙部瑛斗の二塁打をきっかけに、一挙6点を奪い逆転勝ち。翌日も4-4の10回に岡大海が適時打を放ち、その裏、益田直也が締めて2連勝。3戦目も0-4の5回にソトの一発で1点を返すと、7回にポランコ、岡の連続適時打で同点に追いつき、4-4の8回に相手のミスで勝ち越し、9回に和田康士朗の犠飛、髙部の適時打で追加点を挙げるなど、開幕3連勝。

 昨季の王者・ソフトバンクを相手に敵地で逆転勝ちでの3連勝と、課題だった打線が繋がり、今年は一味違うように見えた。4月こそ11勝13敗、首位とのゲーム差3.5の5位だったが、4月29日のオリックス戦から5月5日の楽天戦にかけて6連敗、7日の楽天戦に勝利も9日の西武戦から5連敗。 5月は6勝17敗と大きく負け越し。近年のマリーンズはチームの好不調の波が大きいチーム。交流戦は10勝8敗と勝ち越し、これをきっかけに浮上していくかと思ったが、そこから大きな勝ちの波を作ることができなかった。結局、11勝11敗で終えた6月以外は全ての月で負け越し。パ・リーグ球団には全て負け越す最下位だった。

 打線を考えると、“1点を守り切る野球”で勝利を積み重ねるのが理想だった中で、先発投手が先制を許し、勝ちパターンを最後まで固定できず勝ちゲームを落としたり、打線も“1つ先の塁を狙う走塁”が武器だったが走塁ミス、盗塁失敗が目立ち、守備でも記録に残らないミスが相次ぎ、嫌らしさがなかった。

◆ 若手の成長

 最下位に終わったが、来季に向けた明るい話題が全くないわけではない。野手では高卒7年目の藤原恭大、高卒2年目の寺地隆成、ルーキーの西川史礁、これからのマリーンズの攻撃を引っ張るであろう3人が規定打席に到達。規定打席に届かなかったが、昨季ファームの本塁打、打点の二冠王の山本大斗もチーム日本人トップの11本塁打、池田来翔、上田希由翔、アセベドが経験を積んだ。そこに佐藤都志也、髙部瑛斗、小川龍成、友杉篤輝、安田尚憲、山口航輝、和田康士朗、愛斗といった中堅どころもいる。突き抜ける選手が何人も出てくれば未来は明るい。

 打線においてカギを握るのが長打力。ソトがチームトップの本塁打数を記録したが13本。レアード、マーティンが在籍中に若手の長距離砲が経験を積んでおり、本来であれば今頃一人前に打線の中核を担い、ソト、ポランコが不調だったことを感じさせないくらいの状態になっていなければいけなかったが、そうならなかったのが今のチーム力なのだろう。山本、山口が来季以降、どう飛躍するかが重要になってくる。

 投手陣は高卒2年目の木村優人がシーズン通して一軍に帯同し、プロ初完封をマークするなど充実の1年になった。田中晴也、中森俊介はオールスター前までの活躍は素晴らしかったが、後半戦は一軍の戦力として戦えず。それでも、廣池康志郎がオールスター明けは一軍のリリーフで投げたり、短期間ではあるが高卒2年目の早坂響も一軍を経験し、育成出身の吉川悠斗がプロ初勝利を挙げた。高卒6年目の横山陸人は途中先発も経験しながら、リリーフ復帰後は脱力投法でシーズン自己最多の50登板、20ホールド、12セーブとブルペンには欠かせない存在になった。

 選手個人個人で見れば、若手選手が台頭しているが、これを継続できないのが近年の課題。今季はチーム状況が苦しかったこともあり、若手の積極起用が目立ったが、リーグ優勝、CS争いをした時にベテラン選手たちと比べた時に上回っているかと言われると疑問符がつく。

 昨季ブレイクし、シーズン終了後にはプレミア12にも出場した鈴木昭汰と佐藤都が今季は苦しみ、昨季夏場以降存在感を示した菊地吏玖も一軍定着とはならなかった。“育っているようで育っていない”、“育っていないようで育っている”というのが、ここ数年続いているのが現状。2年連続で結果を残している選手を見ても、野手は誰もおらず、投手でも小島和哉、種市篤暉、そして2年連続40試合に登板した横山くらい。若手の継続的な活躍が来季、浮上には必須だ。

 若手は今季の経験を来年どのように繋げるか、今季苦しんだ中堅とベテランが来季どう巻き返すかーー。野手では藤原、西川、寺地、投手では中森、田中晴、木村と核になりそうな若手は出てきており、そこに中堅、ベテラン、外国人選手がうまく噛み合えば、今季のような結果にはならないはず。3年ぶりにCS出場を逃したことで、2026年に向けた準備を上位球団よりも早くできる。サブロー新監督のもと、実りのある秋を過ごしていきたい。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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